幕間
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フーガとクウハくん
フーガとクウハくん
関連キャラクター:フーガ・リリオ
- 初めてのゲーム実況
- 「よぉ、親愛なる暇人共。今日は事前告知通り、リアルのダチと実況やってくぜ。紹介しよう、フーガだ!」
「フ、フーガです……。実況プレイは初めてですが、よろしくお願いします……」
緊張で固くなるフーガの肩を、クウハが軽く叩く。
「――悪りぃ。マイクの音声ミスってたみたいだからもう一度やってくれ」
「えぇぇ……?」
二人がプレイするゲームは『サモンモンスター オニキス』。サモンモンスターといえば練達で人気を博しているゲームシリーズだ。とはいえ、旅人である二人にとっては完全な初見プレイとなる。
「三匹の中から一匹選べとさ。んじゃ、今回は特別ゲストのフーガさんに決めてもらうか」
「おいらが? うーん……この緑色の竜みたいな子がいいかな」
「ニックネームは?」
「……ドラドラ?」
「おら、やっちまえ。躊躇うな。相手のサモナーごと殺れ!」
「ちょっとクウハ、全世界に今の発言が」
『大丈夫』『平常運転だよ』
「えぇぇ……?」
「ヒャッ!? おおお、お化けが!」
「今更こんぐらいのホラー要素でビビんなよ! ……お、幽霊属性のサモモンだ」
『!?』『声にびっくりした』『フーガさんホラーゲームやってほしい』
「へへ、いつかはホラーゲーム実況もアリかもな。フーガだけで」
「せめてクウハも一緒にプレイしてくれよ!?」
「……。…………」
「まさかオマエ、俺が飲み物取ってくるまでの間、ずっと撫でてたのか?」
「ドラドラもよもぎもプルタブも、みんな可愛くて」
●
「次の実況まで、このゲーム借りてていいかな?」
「いいぞ。どうせ少し歩いたらオマエの部屋なんだし。レベル上げでもやるのか?」
「うん。それにもっといろんなモンスターも仲間にしたかったんだ」
「すっかり嵌まってんじゃねェか」
はいよ、と笑いかけながらクウハはゲームを手渡す。
ゲームが面白いのも勿論だけれど――この正反対の親友と一緒に、何気ない楽しい時間を過ごせたことが、フーガにとっては輝かしいものだった。彼も笑い返して、ゲームを受け取った。 - 執筆:梢