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幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

指折り数える日々

関連キャラクター:ジョシュア・セス・セルウィン

雪遊び
 抱えていたカネルを雪の上に降ろすと、カネルの小さな足が雪の中に沈んだ。ふかふかした雪を楽しむようにカネルは足踏みをしていたが、やがて尻尾を振りながら歩き始めた。白い雪の上に、小さな足跡が点々と続く。

「何をして遊びましょうか」

 ジョシュアはリコリスのように、カネルの言葉を理解することはできない。だけどちょっとした仕草や尻尾の動きで、今どんな気持ちになっているのかは想像できる。

「雪だるま作りがいいですか? それともかまくらを作るのがいいですか?」

 カネルはどちらを尋ねても嬉しそうだったから、両方作ることにした。

「まずは、雪だるまを作りましょうか」

 雪を丸くなるように転がして、身体の部分を作る。雪玉を二つ作っていると、片方をカネルがつつくように転がし始めた。前足で雪玉をつついている懸命な様子が可愛くて、ずっと見ていたくなる。

「折角だから猫の形にしようかと」

 出来上がった雪玉を重ねて、目と鼻、それから耳をつけたら、猫の形の雪だるまの完成だ。
 雪だるまの周りを、カネルはとことこと歩いた。尻尾を揺らして、時折じっと眺めるように立ち止まって、やがて隣にすとんと座った。

 おんなじ。そう言っているようで、ジョシュアも思わず微笑んでいた。


 雪だるまは、リコリスの家の庭に飾ってもらうことにした。
執筆:椿叶

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