PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

Trick and tricks!

揶揄い好きな悪霊とイレギュラーズ達のお話。


関連キャラクター:クウハ

安眠案内
「……何してんだ?」
 その日の依頼、馬車の時間より早く着いたクウハを待っていたのは眠る京司だった。
 正直、京司が眠るのは別に良い。普段からワーカホリックなので寝れる時に寝とけと思うからだ。
 だが、眠っている状況は珍しかったのだ。
 なんと、あのカトルカールが京司に肩を貸しているのである。
 カトルカールはそういう事を苦手としそうだったし、京司も部下にあたる彼にそういう行為をされるのは遠慮しそうである。
 しかし現実として、片膝を立てて眠る京司はカトルカールのほっそりした肩に凭れている。
「しー、今やっと説得して眠らせてやったんだ」
「眠らせた?」
 そうだ、とカトルカールが小声で返す。
 カトルカールの話に最初に到着していたのは京司であった。
 依頼の時の京司は割りとアクティブというか、出発前は軽くストレッチと準備を整えて何時でも戦えるように立っている事が多い。
 なにせ警戒心が強く慎重な男なので、身内だらけでもない限り人前では眠らない。
 それが今日に限ってやや体調が悪そうだったとカトルカールは感じたそうだ。
 仕事の上司と部下とはいえ、付き合いはそれなりにあるしワーカホリックなのはサヨナキドリに入ってすぐ気付いた。
 クウハとしても京司はまあまあ生き急ぐタイプの人間であることは承知している。
 家族が出来てもそこは変わらない、どころかちょっと悪化してる気さえしている始末だ。
 なので、今回のこともカトルカールが頑張って言い募ってやっと仮眠を取ってくれたのだろう。
「はー、しょうがえねぇなぁ……」
 京司を上着で隠すと、他の参加者が来るまで寝かせておくことにした。
執筆:桜蝶 京嵐

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