PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

突撃!隣の盤を後破産!

悪人共になら何やったって構わねェよな!とばかりに
凶行を愉しむ2人の話。
例え普段の様子がどうであろうと
根はまごう事なき「悪」なのである。


関連キャラクター:クウハ

突撃!詐欺師を大爆破!
「あー、もしもし? オレオレ。え? 声がいつもと違うって? いや~風邪引いててさ~。ところで事故起こしちゃったからお金振り込んでほしいんだけど~」

 ここは詐欺師のアジト。使い古された常套手段で高齢者から金を巻き上げている、そんなシーン。
 突如、アジトの家具がカタカタと震えだした。

「ん? なんだ……?」

 突然引き出しが開いて、中に入れてあった札束が宙を舞う。
 ドカッとアジトの扉が蹴破られ、猫耳のついたフードを被った男の手元へ、札束が飛び込んでいく。
 クウハが、ギフト『ポルターガイスト』を使ったのだ。

「な、なんだテメェ!」

「俺はただの悪霊さ。オマエに金を騙し取られた怨念が形を成したもの……とかなんとか、まあそんな感じに捉えてくれや。ぶっちゃけ今考えたんだけど」

「悪霊だァ? ふざけやがって!」

 逆上した詐欺師が懐からナイフを取り出し、クウハに襲いかかる。しかし、その顔へ手榴弾が命中し、爆発する。

「ぎゃあ!?」

「オイ、きゐこ。俺まで爆風に巻き込まれるだろうが」

「クウハなら大丈夫でしょ。多分」

 クウハの後ろから、猪市 きゐこが手榴弾を投げつけたのである。

「ああぁ……顔……俺の顔がぁ……」

「結婚詐欺にも使える素敵な美形も台無しだなァ? ケッケッケ」

 クウハは詐欺師の今までの悪行も洗いざらい調べ尽くしていた。
 オレオレ詐欺に結婚詐欺、妙な縁起物や情報商材まで売りつけている、詐欺のオンパレードだった。

「どれどれ、美形の血は美味しいのかしら?」

 きゐこは詐欺師の首元に思い切り噛みつき、血をすする。

「痛ァ!? す、吸われ、ぎゃあぁぁ!」

「うっわ、まっず。やっぱタバコとかお酒とか不摂生してる人間の血は飲めたもんじゃないわね」

 きゐこはペッペッと血を吐き捨てる。

「クウハ、お金は回収した?」

「ああ、部屋の中にある分は根こそぎ奪ったぜ」

「じゃあ、あとは爆破しちゃいましょう。そうしましょう」

「ま、まっで……」

 焼けただれた顔で許しを請うように手を伸ばす詐欺師の手を、クウハが踏みにじる。

「あばよ、色男。悪いことはするもんじゃねえって、来世まで覚えていられるといいな?」

 そうして、クウハときゐこは、爆破とともに崩落していく詐欺師のアジトから脱出したのであった。

「――ありがとうございました。これで祖母も安心すると思います」

 今回の依頼をローレットに持ち込んだ女性が、クウハときゐこに依頼料を渡す。

「ケケッ、悪人いじめて金までもらえるなんて、割の良い仕事だったな」

「そうね。こっちは爆発物の実験もできるし、いいことづくめだわ」

 クウハときゐこの発言に、依頼人の女性は若干引いていたのだった。

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