PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

( ‘ᾥ’ )お師匠といっしょ

関連キャラクター:リコリス・ウォルハント・ローア

Hunting of wolves
「今日の依頼は美女が相手だから、私が相手したかったんだけれど。゛趣味゛が合いそうになくて。頼んだぞ、愛弟子?」
「はーい!」
 元気良く返事をしたリコリスの格好はいつもとは違っていた。
 普段とボタンの左右が違うシャツとネクタイ。
 緑と黒のシックなチェック柄の短パン。
 ソックスガーター付きの黒い靴下。
 赤茶色のコインローファーはわざわざ゛複数回履いた゛加工がある。
 いつもと同じなのは真っ赤なフードくらい。
 知り合いのお姉さんがしてくれた化粧も相俟ってか、『男の子のリコリス』がそこにいた。
「それじゃあ、お師匠。いってきます!」
 ターゲットが勤務先から出てきたのを確認し、リコリスが勢い良く走り出す。
「まあ僕、大丈夫?!」
 ターゲットの近くで石畳の段差に躓いて転んだフリーーの筈だったが、リコリスは本当に躓いて転んでみせた。
 うるっと目に涙を貯めればターゲットは優しい貴婦人を装ってリコリスの手を取って歩き出す
 けれどこれは嘘。彼女は小さな男の子にだけ、これをする。
 そうやって言葉巧みに家に連れ去っては無惨な姿で彼らを還しているのだ。
 その前にーーリコリスを連れ去る手を、撃つ。
 リコリスが無邪気なフリをして、ターゲットを裏路地へ引っ張った直後だった。
 ため息1回分の間でリコリスがターゲットの手を振り解いて後ろ側へのバク転を決めた直後だった。
 リーディアの弾丸がまっすぐ、ターゲットの足を撃ち抜いた。
 もがき苦しむターゲット、慌ただしく駆け付ける警官。

「お師匠! 大成功だよ!!」
「ああ、良くやった!」
  今日の依頼は、ふたりの成果。
執筆:桜蝶 京嵐

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