PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

パン屋の日常

関連キャラクター:零・K・メルヴィル

名が売れるのも考えもの
●これはいつかの羽印マート

「師匠ー!」
「なんだい、騒がしいね」

 零は彼の師匠の目の前で自分の許に届けられた書類の束をバサバサと振ってみせた。その様子を『師匠』……周りからは武器商人と呼ばれるモノはニヤニヤと眺める。

「羽印マートからの発注書が凄い量になってるんだけど!?」
「当然であろ? 羽印マートはキミが経営している食料品店なのだから、普段の買い物ついでにキミのフランスパンを目当てにするものも決して少なくはない。ましてや我らがサヨナキドリは全国展開……そりゃあ各国からの仕入れともなればそれなりの量になるだろうさ」
「そりゃあそうだけどさぁ……」

 期待されているのはわかる。しかし零はいわゆる個人事業主……その身はひとつなのだ。仮に神殿のワープ機能で飛び回ったとしても、この量を納品するとなると……。

「あの……もしかしてさ。これって、徹夜コース……?」
「ヒヒッ。レッドブルスコファー、奢ってあげようか?」

 その後、零は師匠に泣きつきギルドから専用従業員の派遣・フランスパン以外のレシピのマニュアル化・量産体制の整備を行うことでなんとかことなきを得たのだった。
執筆:和了

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