PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

友との日常

関連キャラクター:紫電・弍式・アレンツァー

((꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆꜂꜀꜂(˙꒳˙꜂꜀꜂))
●オレとわたしの甘辛MIXバトル

 紫電は辛党である。西に激辛があれば赴き、東にピリ辛があれば確かめに行くような少女(?)だ。辛いと一口に言っても段階があり、やれ「あの店は激辛を名乗る資格がない」だの「これはお子様には厳しいだろ」とかなり採点が厳しい。
 汰磨羈は甘党である。北の極上スイーツも南の幻甘味も制覇して、特にシュークリームがお気に入り! こちらも「あの店はスッキリとした甘さ」「ここは水がないと一般人は死ぬかもしれんぞ」と評し、案外口コミに役立っているとか。
 そんな二人は対極にいるようで実はある共通点がある。お分かりいただけるだろうか……二人とも『じゃれ合い』が大好きということを……。紫電は隙あらば、否なくとも汰磨羈のピンと伸びた背筋をスーっとなぞりたいし、汰磨羈は紫電のもふぁもふぁの尾を超級モフり倒したいと考えている。煩悩? それ誉め言葉ね。

「というわけだ……異議はないな?」
「武者に二言はない」
「「……せーのっ!!」」
 二人同時に、甘味と辛味を食べる。紫電は砂糖の何倍も甘いと噂のフルーツを、汰磨羈は翌日尻が痛くなると噂の激辛パンを其々無心に食べた。この謎の行為にはちゃんと意味がある。先に負けを認めた方が相手を好きに出来る約束。当然互いの煩悩を賭けたバトルだ、絶対に負けられない。モフりたい! 背中すりすりツツーってしたい!
 先に水に手を出した方が負け。一見紫電の方が楽に感じるかもしれないが喉の乾く速度が尋常ではない。汰磨羈は火照り汗が止まらない。そして先に根をあげたのは――紫電!! ごくごくと水を飲み干し更におかわり。
「ケホッ、ゴホッ。ごくごく……おい!?」
「敗者は大人しくモフられるが良い」
「まだ水飲んでぬわあああ」
 紫電のモフモフふさふさの尻尾を撫でて、握って、スーハー吸って。う~むこの毛並み、筆舌に尽くしがたい……と思っていると。当然尻尾故に紫電の下半身に顔面を突っ込んでいる汰磨羈の背中はガラ空きで、それを見逃す紫電ではなかった。くすぐったさに身を捩りながらも汰磨羈の背筋を指でなぞる。ビクっと震えて抗議の声をあげる汰磨羈。
「おい、約束が違う!」
「負けた方は何もしてはいけないという約束はしていないが?」
「苦しい言い訳を……」
「美しい背筋だな。この引き締まった筋がなんとも……特に肩甲骨の下……」
「ぬわああああ! 御主卑怯だぞ!」
 背筋を行ったり来たりする指の感覚にゾクゾクしながら、負けじと汰磨羈もモフモフをもふもふする。こうなったら勝敗なんかどうでもいい。互いに満足するまでやりたい放題するだけだ。大体こうなる予感はどちらもしていたけど、それは秘密。いいからとにかく――。

「モフらせろ!」
 スーハースーハーくんかくんかもふぁもふぁで顔がふぁぁぁ。
「なぞらせろ!」
 すーりすりすり背筋の窪みを上から下まで撫でなぞり。

 ――残した激辛パンと激甘スイーツは、得意な分野で食べて帰ったとさ。え、結局じゃれ合っただけじゃないかって? そういう日もあるさ……二人とも『弱点・好色』だもの……。

PAGETOPPAGEBOTTOM