PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

商ヨタの日常

関連キャラクター:武器商人

My sweets

 ちょっぴり難航しそうだった取引依頼を無事に済ませることができた。
 サヨナキドリの顔たる武器商人が苦労をしている姿を見せることはないのだけれど、やはり相手に失礼のないようにしなければならない。ということを、ヒトの社会に紛れることで学び、流石に四年という月日が経ち伴侶まで迎えようものならば嫌でも理解はしてしまう。
 そんなこんなで迎えた契約の日。つつがなく終えることができたともあらば、安堵と満足感、それから緩やかに押し寄せる疲労の波。
(さて、どうしたものか)
 帰宅前にどこかで一服したって構わないのだけれど、愛しいひとと息子を待たせておく趣味は欠片もない。ので、ちょっとしたお祝いも兼ねて、二人へとプレゼントを持ち帰ることに。
「やァ。これを3つ、頂けると嬉しいんだけど!」

 ・
 ・
 ・

「ただいまぁ」
「ん、おかえり……」
「おかえりなさいっ」
 ぎゅうっと、腕のなかに飛び込んだラスヴェートを撫で。愛しい小鳥の唇に口付けて掲げるは、白い箱。
「? それ、は……」
「ミルフィーユ。小鳥にも相談してた件のあれが上手く纏まってね。そのお祝い」
「わぁっ、お父さんすごい!」
「ラスの分もあるよ。お皿を用意してくれるかい?」
「うん! お父さんとパパさんの分と、あと僕の分も! 出してくる!」
 たったったと廊下を走り出したラスヴェート。その弾む足音を聞きながら、綻んでいく口元。しあわせのありか。
 どうかこの愛しい日々が、ずっとずっと続きますように。
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