PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

混沌で何か撃ってみた

関連キャラクター:マグタレーナ・マトカ・マハロヴァ

ロビン・フッドは逃さない
 夜の森にマグタレーナはいた。運が悪い事に霧が立ち込め周囲の視界は酷く悪い。
 それでも彼女は落ち着いた様子で弓を手に瞳を閉じていた。

 そんな彼女を見つめる者達がいた。
 最近この地を騒がせる賊でありマグタレーナの標的でもある。彼らは闇の中でも目立つ『秘密の目印』を利用し散々悪事を働いてきたのだ。地の利も数も彼らが上回っている。彼女を捕らえてその装備を売ればイイ商売になる。そう踏んだ賊達はさっと夜の闇に溶け込んだのだ。

 視界に頼ることはできず、マグタレーナは独り。多勢に無勢、おまけに地の利はない。
 そう普通ならば。
「後方、木の上」
 弓を引き絞り、一言呟いて放たれた矢が風を切る。一瞬遅れ、その方向からどさりと何かが落ちる音と痛ぇという梅きが聴こえた。
 残る二人が「まぐれか?」「嘘だろ」と零した言葉を彼女の耳は捉えていた。
「見つけました」
 すぐさま一人に矢を放つ。
 残るは一人。
 矢を番え狙いをつけて神経を研ぎ澄ます。
 視界なんて関係なかった。
 僅かな音さえあれば、マグタレーナはその反響から対象の位置を見つける事が出来る。
 だから。
 彼女が放った矢から逃れられる者など誰もいないのだ。
執筆:いつき

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