PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

アナタの譜面

関連キャラクター:リア・クォーツ

太陽の旋律
 幻想バルツァーレク領の一角にあるのは『セキエイ』。緑豊かでありながらしっかりと整備され治安も良い為、バルツァーレク領の流通の要のひとつとして栄えている街。その近くにある森の湖畔に建っているのは、ここの名所の一つ『クォーツ院』である。
「おーきーろー!!」
「うわあぁぁ!!」
 朝。院外まで響くのは見習いシスターのあの子達を含めた院に住む子供達の声だろう。この声は殆ど毎日聞こえてくる。余程の寝坊っ子が居るのだろう。この声がこの森に響くようになって数年……それはもう日常なのである。
「そんなクソうるせー声出さなくてもいーじゃねーか!!」
「毎日毎日素直に起きないアンタが悪いんでしょ!」
 その後の声は普段の声に戻ったのか聞こえにくくなっていた。きっと朝ごはんだからと言う話だろう。この二つの声を聞くと一日の始まりを感じるし、聞こえないと何かあったのでは時になってしまう。

 この通りを散歩道にしてから数年経つが私はそこまで院の人々と関わりを持てていない。だから気にしても仕方の無い事ではあるのだが……日常的にずっと聞いてきた声の主へ妙に親近感が湧いてしまっていけないのである。
執筆:月熾

PAGETOPPAGEBOTTOM