PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

物語

関連キャラクター:マッダラー=マッド=マッダラー

水やり
 深い々い緑の奥、人の知れない果ての果て。
 ただのひとつ、のたうつ沼が在りました。
 彼等に知性はありません。彼女等に輪郭はありません。
 只管に、怠惰と時間を貪っていきました。
 そんな無聊な日々、永久の内の欠片。
 なんと人間が迷い込んできたのです。

 人間――それを男だとか、女だとか、認識する事も沼には出来ません。
 沼は如何してか腹が減ってしまい、人間を引き摺り込んでしまいました。
 これはとっても『おいしい』なぁ。
 ようやく知性を手に入れたのです、これは確か脳味噌だっただろうか。

 自らが人間ではないと悟った沼は、どろりどろりと思考します。
 もっと食べたい、もっと食べてみたい、もっと理解してみたい。
 想いと思いが積もりに積もって、副産物が転げ落ちました。
 これは人間が望んでいたものに違いない!
 ――沼はここにきて自分が『神様』なのだとわかったのです。

 それからというもの、沼はたくさんの知識を集めました。
 神様なんだから、神様なんだから、神様なんだから――。
 ――さて、世界には何が残されたのでしょう。

「子供達に聞かせてやってよ、きっと柔らかく、すくすく育つからさ」
執筆:にゃあら

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