PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

おまかせ

関連キャラクター:マニエラ・マギサ・メーヴィン

眼球の裏側にはいつも君がいたんだそんな真実も忘れていたのか私
 ざわつきを無碍には出来ない、べたついた気配を見ないふりして制服に着替える。
 嫌な予感とは奇怪にも、忌々しく、的中するのが世の常だとオマエは感じた。赤色のぐちゃぐちゃを認識した自身のオッド・アイが腹立たしく思える。未だ蠕動しない脳味噌を振りつつ身を捻じらせ直下する陽光へと躍り出る。寝過ぎた松果体に染み入る名状し難い熱暴走――これはきっと夜妖か何かの仕業に違いない。よろける風にしてようやく世界と挨拶した。まったく酷い混沌だ……。
 予定と謂うのは特に依頼と謂う訳ではなく、ただ友達と会う約束だった程度だ。何かしらの目的がある云々でもなく、暇だったらお喋りしないか? と雑なもの。これなら当日『うだる』事も問題ないのではないか。体調がよくないと伝えたらごろごろ出来た筈だと謂うのに。ああ、向こう側で友達が手を振っている。まずい、なんだか掠れているようにも見える。もしや本当に崩れたのではないか。ぐるり、ぐるり、定まらない内面性――。
 自暴自棄に陥った時と『似たような』感覚だった。堕落するような沸騰感、ある種の恍惚に近い泡沫が肉体を抱いてくる。あれは確かに友達、※※だった筈なのだ。くねり、謳う真白の最中は渦目いて東京を焦がす。視えた。ハッキリと視えた。理解した。あのカレンダーは私のものではない――欠伸が不定形に感染した。
 目と目の狭間で蝉が燥いでいる、耳と耳の真ん中で虚躯理と粘ついた、うるさいノイズの膨張が内から外へと滂沱する様子。成程、つまり世間は私の事をアルコールだと認知してくれたのか。あさり忘れていた冷蔵庫の片隅には、ステキ、お友達の用意していたビール缶どもの傾聴。何の話だったっけ。想々、君のはなしだ。
 感謝しているんだよこれでもさ。わからなかった真実をわかるような虚構にしていた。わかるだけだった悪夢に新たな意味を付け加えた。たいらげた背徳グルメにフレッシュなお野菜を添えてしまおう。大丈夫さ、私も君もここに存在するんだ――いい加減にしろよ、そんな叫びが聞こえたのは気の所為で神経が絡み合っている。
 果て――こんな感じに一日を愉しむのも悪くはない。ぼやけたレンズを潜り抜けて未曾有の喜びに浸る。沈み込んだアストラルは遂に浮上の二文字を失くしたのだ。ぐるり、ぐるり、くねり、くねり……無意識が産声をあげた。アハハ、アッハッハ、アッハッハッハッハ――法なんぞ破棄して終え、無秩序の回転に真をゆだねる。
 ――。
 ――?
 ――ええい、鬱陶しい、花は『咲いてこそ』花なのだ。
 ――隠すなんて如何かしている。影で良いだなんて。
 暴かせろ、発かせろ、オマエはオマエはオマ――。
 抜き取る事の出来ない夜鷹の鳴き声、正気か狂気かも解せない儘にオマエは蒼宙を知った。肥大化する脳髄が星辰を吐き出し病的だと迎える。残り物の内容を思い出した厭れらはオマエの大好物、いなり寿司だ。詰め込まれた甘さはジューシーに讃えられ刹那、散っていく。欲しかったのは幻想と称される枕なのだ。
 サッパリとしたプディングで熱狂を冷ます、ギトギト、実に爽やかだった。
 未知なる3※には少しだけきついが、嗚々、胃袋の痙攣がやむ術を知らない。
 眼球の裏側にはいつも君はいたんだそんな真実も忘れていたのか肉片……。
執筆:にゃあら

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