PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

Chat in the Stella Bianca

ここは昼間は軽食喫茶 兼 夜はバーの"Stella Bianca"
今日もオープンキッチンでは店主のモカ・ビアンキーニが働いています。
(チリンチリーン)
おや、お客様の来店でしょうか……。
「いらっしゃいませ!」


関連キャラクター:モカ・ビアンキーニ

巷で評判の女主人


 ──チリンチリーン。
「いらっしゃいませ」
 丁寧な口調でそう一礼をするのはモカ・ビアンキーニ(p3p007999)。彼女が経営する昼間は軽食喫茶 兼 夜はバーのStella Biancaへ今日も客人が舞い込んだ。
「ほぉ……アンタが評判の女主人ってヤツかい?」
 店に入って来て早々の言葉にモカは目を見開いたが、彼女は冷静に。
「評判かはさて置いて、ここStella Biancaの店主は確かに私で当っている」
「巷では噂になってるぜ? この国には飯も飲みもんもお墨付きの美人な特異運命座標サマが経営する喫茶店があるってな?」
 巷での評価を偶然であってもこうして聞ける機会があるのは、経営する者としては有難い事である。
「そのような話題が出るのは嬉しい事だ。
 ……さて立ち話もなんだ、カウンターにでもどうだろう?」
「だな、美人な上に気も利く……いいマスターだ」
「大した事では無い。ご注文をお伺いしても?」
 とにかく褒めてくる男性客はうーんと暫く悩んだ末。
「この店は初めてだからなァ……アレだ。アンタのオススメってヤツは要望してもへーきなヤツかい?」
「私のオススメ、か……」
「まぁ丸投げってのもカワイソーかね? んなら俺の今の状況を教えよう。
 俺は今小腹が空いていてね。けれど鉄帝帰りでちぃと暖かいものを希望したいってとこよ」
「なるほど……では少々待っていてくれ」
 男性客からのヒントにモカは手際良く作業を始める。小腹が空いていると言う表現をすると言う事はガッツリ系ではなく軽食を望んでいる。
 そしてダイレクトに暖かい食事を希望している。
 となると。

 ──
 ────
「お待たせ致しました」
「おや、随分早いね」
「お客様のヒントとして『小腹が空いている』と言う観点からガッツリ系ではなく軽食をお望みかと思い喫茶店の定番であるサンドイッチを提案しよう」
「ふむ? だが男客の小腹なんて女よりは入るぜ?」
 ニヤリと笑う男性客にモカはフッと微笑む。
「だろうな。と思った。なので肉よりは重くなり過ぎないエビカツを挟んだサンドイッチにしてみた訳だ」
「ほぉ?」
 男性客は感心したようにサンドイッチを覗き込めば、確かにサンドされているのはエビカツのようだ。
「そしてそのお供とするのはジンジャーティー。
 あなたの暖かいものとのご希望に答えてみた次第だがどうだろう?」
「なるほど。生姜は身体を温めるには最適なしろもんだ」
 男性客はジンジャーティーを一口飲めばホッとした表情になる。
「いやね、噂だからどんな女かと思ったが気に入ったぜ」
「ありがとうございます」
 これはまた一人常連が増えた瞬間である。
執筆:月熾

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