幕間
ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。
地上と微睡みの狭間で
地上と微睡みの狭間で
関連キャラクター:トスト・クェント
- 星空の道
- 夜空のように青と黒が入り交じる闇の中、光り輝く道が出来る。
正体はトストが歩こうとする、いくつもの星の道。
動けば動くほど、彼を中心に星空の道が少しずつ出来上がって導かれていた。
少しずつ動いて出来上がる道に、楽しさを覚えながら彼は進む。
そんな星空の道はトストの行き先など気にすることなく、道を作り出してゆく。
小さな道から長い道まで、多種多様に。
気づけば、トストが歩いた分だけ枝分かれした道が増えていた。
ひとつ、夢(ゆめ)。眠っている間だけに見える小さな道。
ふたつ、幻想(ゆめ)。自分だけに見えている、本当にあるのかわからない幻の道。
みっつ、虚構(ゆめ)。現実には無いとされている、虚ろの構造の道。
よっつ、願望(ゆめ)。心の何処かに眠る、自分の持つ願いの道。
星空の道がキラキラとトストを彩り輝かせる中、どれが夢で、どれが幻想で、どれが虚構で、どれが願望なのかをハッキリと覚えて歩く。
何の道を歩いたにせよ、自分自身が変わることはないとわかっていたけれど……。
この道には終わりはないと知ったのは、いつだっただろう。
それはもう、よくわからない。
今日も今日とて、トストは見る。
紺青の闇に広がる星空(ゆめ)を。 - 執筆:御影イズミ