PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

【幕間劇】

虚構と現実の間で生きる哀れで愚かな生命の話。

------ It was written in the stars. (そういう運命だったのさ)


関連キャラクター:Tricky・Stars

10 count
●These beauteous forms.

【-/-/- A storm is rising.】
 一族郎党(親戚の親戚の親戚とか、会った事も無い奴が大勢居た!)
 公安警察局みたいなのを名乗ってた気がする――奴等に身柄を拘束され山奥に閉じ込められる夢を見た。

 何でも親父が一度ボタンを押す毎に『世界を10秒巻き戻す』事が出来るスマホアプリを開発していて、『8時間世界を巻き戻した』事が発覚した――とか何とか、そんな罪が云々彼云。
 全く以って息子の俺には珍粉漢粉な話だ。だってさ、彼の職人気質の――ってか、家は染物屋じゃなかったのかよ。
 其れに何時迄も古いガラケー使ってた親父がだぜ? 何でいきなりスマホアプリ。
 而も結構界隈じゃ名の知れた開発者なのだとか何とかで、夢の世界は良く判んね。
 一寸面白くて笑ったりもしたけど、臆、何だろ。自然と山奥での生活は悪くなかったな。
 
 なーんもねえ山奥で、でも原付で走れば(監視付きだったけど)割と都会って感じも無くは無くて、少し早い夏休みって感じで。
 従姉妹のねーちゃんの旦那の弟の婚約者のバツイチの女の人の5歳位の息子(??? 分かんないけどもう此処まで来たら只の赤の他人だと思う)とスイカを冷やしてるデカいプールで水遊びしたり、畑の野菜のもぎたてを食ったりなんかして。
 
 んで、結構可愛い女の子ナンパして、ショッピングセンターで監視を撒いたりして、まー田舎なんでやる事も殆ど無くて、山の見晴らしの良い丘の木陰でヤる事ヤッたりさ。(蚊にぼこぼこにされた。夢の筈なのに起きた今でも痒い気がする)

 今世界中の優秀なエンジニアを集めて『世界を3秒早送りする』アプリを必死こいて作ってるって云うから(そうとは云え、もう一度親父が戻したらしき『8時間前』まで戻さなきゃいけないってんだから大変そうだった。そうしないと歴史がどーのこーの)

 んで、親父を問い詰めても答えてくれないからさ、俺、公安の人に訊いた訳。具体的に何時、親父が『8時間』戻したのかって。
 そりゃ? 理由とか気に為るじゃん。
 そしたらさ、凡そ『12,931,200秒』前だと。
 1分が60秒で、1時間が3,600秒で、24時間がえーっと、86,400秒で。
 まあ、まあ俺の頭には『???』って浮かんでたんだろうな。『2月17日』って教えてくれたんだ。

 其処で眼が醒めた。

「フン、灼け死ぬ前まで時間を巻き戻したと云う事か。【虚】にしては良く出来た愚作(シナリオ)じゃないか」
「全く、夢の中でも親父って奴は。こんなお涙頂戴の話、腹の足しにもなりゃしないんだぜ」

 ……――本当、悪かったって思ってるよ。
執筆:しらね葵

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