幕間
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怨めしき怪異譚
怨めしき怪異譚
関連キャラクター:鹿王院 ミコト
- 塵垢
- 其の常識が覆されたのは何時からの事だっただろうか。
私達の学校は他校より所謂『学校の七不思議』の数が一つ多いのだ。
八つ目の不可思議なものは夕暮れ時、学校に居残っていると校庭で出逢うと謂れている。
早く帰宅して欲しい教師か警備員が脅しとちょっぴりの悪戯心でやった事だなんて説もあるけれど、其れでは夢が無い。
怪物、お化け。或いは神様。呼び方も姿形も多岐に渡り、其れ等は鼠算式に増幅し、今と為っては真実を辿るのは難しい。
だが怪談とは得てしてそんな存在であるという事は証明されよう。
(Case:1)
――アレでしょ? 目が合ったらカメラを向ければ恥ずかしがって逃げて行くって……。
――えー? 私は先輩から九字を切ったら良いって聴いた!
――何それ?
――こう、えーっと縦横縦横で『臨、兵、闘、者、皆、陣、列、在、前』って。あれ? 横縦横縦だっけ。
――ウケる、超適当じゃん。
(Case:2)
――実は神様の端くれだから、気に入られたら神域に連れて行かれちゃうんだって。
――去年行方不明になった女の子、未だ見つかってないよね…… 神様の仕業なのかな?
――一生老いないって一寸羨ましいかも!
――でも神様はハンバーガーとか食べないっしょ?
――あっ、ポテト冷めない内に食うべ。
(Case:3)
――見た人は全員近い内に自殺してるんでしょ?
――そうそう、其れ俺も聴いた。『怪異研究部』だっけ? 其れも其の所為で潰れたって。
――馬鹿、普通にその人達、卒アル載ってるし……確かめたもん!
――あ、校庭の月桂樹の木の枝を剣みたいに振り回すと良いらしいんだよ! 魔除けになるんだとさ。
――マジかよ、拾いに行こうぜー!
- 執筆:しらね葵