PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

怨めしき怪異譚

関連キャラクター:鹿王院 ミコト

マナコサマ
――マナコサマって知ってる?
――なにそれ?
――少女の姿をした妖怪? 神様? なんだって。
――神様ってことは願い事でも叶えてくれるの?
――神様は神様でも死神らしいよ。全身に目があって、それのどれかと目が合うと石になるとか死ぬとかなんとか。
――化け物じゃん。怖ぁ~。

そんな会話を友人として、別れた後に夜道を歩くと、なんかそのマナコサマのことを思い出しちゃって、嫌だなあ、怖いなあって思ってたんですよね。
で、早く帰ろうと思ってなんとなく早足で歩いてたんですけど、なんだろう、背後から視線を感じたんですよ。しかも人間ひとりの視線って感じじゃなかった。いくつもの目が後ろから私を見ているような……変な汗が流れましたね。
絶対振り向いちゃいけないって思ってるのに、なんで人間って振り向いちゃうんでしょうね。恐る恐る、後ろを見たんですよ。
そしたら、小さな女の子が後ろに立ってたんですよ。ひとりで、ぽつんって。あれ、あのたくさんの視線はなんだったんだろう。しかも、なんでこんな夜中に子供がひとりで……。
暗かったし距離があったから顔ははっきり見えなかったんですけど、その子の腕に目がいっちゃって。腕にね、目がいっぱい描いてあったんです。そう。本物の目じゃなくて目を模した絵……みたいな……。でもその目、ぎょろぎょろ動いてたんです。
あっ、これが友達の言ってたマナコサマだ! って確信しました。
それでどうしたって? 全速力で逃げるに決まってるじゃないですか。本当にゾッとしましたね、あのときは。
信じるか信じないかはあなた次第ですけど。

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