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幕間

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怨めしき怪異譚

関連キャラクター:鹿王院 ミコト

ドウコウ
 オリジナル、プロトタイプ云々と他の学者連中は喚いているが、私は『そのような』生物的、現実的な『もの』ではないと認識している。あれらはもっと『人間的』な枠組みから外れており、言い方としては安っぽいがお化けや真性、魂魄、つまりはアストラルの集合体なのだと考えられる。いや、真逆、今更、そんな迷信めいた、と、嗤う事だろうが――私は最初から最後まで正気で在り、決して発狂しているのではないのだ。
 まるでお伽噺の世界から飛び出した、異質なまでに美しい『姫』だと視えたのは確かだ。東京に『存在』するだけで数多の視線が突き刺さるに違いない。しかし、如何してなのか『視線』が突き刺さったのは私の方だったのだ。ぎろり、と墨汁めいた眼球が裏々と内側を弄ってくる――怨嗟だ。集り、うねり、狂ったかのような怨嗟が身を焦がしてくる。
 ええい、鬱陶しい莫迦どもが。あれをスライムだのロードだの口走っているのは世界から見ても『ここ』だけだ。さては貴様等、あのフザケタ怪物ごっこに執心しているのか? 黙れ黙れ、オカタイ頭のウォーカーどもめ、私が真実を映してきてやる……。
 怒りと寂しさが何故か『私』の頭蓋を叩いている、モぐようにカメラを引っ掴むと足早に外へと落ちてみせた。さあ、あれは何処だ。あの時、見た、幼げな化生は何処に消えた。嬉々とした表情と冷汗を携え、病的な探求心に呑まれる――。

 おい、アイツの姿が見えないけどどこ行ったんだ?
 アイツならさっき妙な面して出て行ったけど。
 この手の話が大好きなアイツが?
 ――卓上には見開き、百目の鬼面像、イホウンデー……。
執筆:にゃあら

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