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幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

蒼剣幕間

関連キャラクター:ドラマ・ゲツク

ドラマじゃない!(本当の事さ)
●ホントの事さ!
「あの、レオン君」
「何だい、ドラマ君」
「このタイミングの通知に碌な予感を感じないのですが」
「実に華麗な使い回しだね、この冒頭は」
「自覚していてやるの辞めて貰って構いませんか???」
「それはそうとドラマ君」
「何ですか、レオン君」
「ローレットでは最近、一つの事業を展開していてね。
 巷の流行を抑えつつ、特異運命座標のイメージアップを行い、ローレットの経営をより安定化させる絶妙な施策なんだが」
「嫌です」
「……早くない?」
「嫌です!!!
 どうせ私にも例のヒーリング何とかシリーズをやらせようって魂胆でしょう!?
 VDMでCDを手売りしたのは絶対に忘れませんからね!」
(色々辛い事があったんだなあ……)
「それに……」
「それに?」
「ボイスシリーズのテーマは『しょうがない人』でしたっけ?
 キャッチは『疲れた大人に送る至極にダメになるボイス集』。
 これ、世間のニーズもさる事ながら、レオン君の気分じゃないですか?」
「膨れおる」
「それはそうでしょう!」
「オマエが居るのに?」
「そもそも癒せって……
 私は野放図に不特定多数に、誰にでもなんてする気はありません。
 もし仮に私が――本当に仮にですけど、もう本当にどうしようもなくしょうがない人の近くに居るとして。
 そこに居るのはその人がしょうがないからじゃないんです。
 分かりますか? 『そういう問題ではないのです』。
 冷静に考えたら自分の壊れ具合に嫌にもなりますよ。
 不誠実とちゃらんぽらんが服を着て出歩いている――意地悪ばかりが達者な人なんて。
 王子様のフリもしてくれない、そんな人なんて。
『しょうがない』で済ますにはあんまりに違いないじゃないですか?
 ……でも、でも。理屈で解決出来るのなら最初から苦労はしません。
 そういう時間はもうきっとずっと昔に過ぎてしまって――私は長い時間の中で何度もこうして頬を膨らめるんです。
 どうです? 癒されるでしょう?
『貴方』はきっとそんな私を見て――そうして目を細めているでしょう。
 でも、覚悟していて下さいね? 『特異運命座標』は可能性の獣ですから?
『窮鼠猫を噛む』何てことわざを他人事と思っていればいいんです。
 大好きですよ、『レオン君』。昨日も今日も明日も、きっとずっと先まで――貴方はそんな顔をしていればいいんです」
「……」
「……………」
「成る程、こりゃあ『使えない』な」
「使いたいですか? 本当に。
 私の素直な気持ちを、赤の他人向けに。他ならないレオン君が?」
「……」
「……………」
「いや、全然」
「勝ちました」
「オマエ、ねぇ……」
「勝ちました!」
「オマエね! あと字数がほぼ尽きたよ、ドラマ君!」
執筆:YAMIDEITEI

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