PandoraPartyProject

幕間

コスプレ同好会の衣裳部屋

関連キャラクター:炎堂 焔

あーあ!

「ねえ皆!」
「はい」
「なんですか」
「練達で困ってるひとが居るみたいなんだ!」
「それってどうせろくでもない夜妖でしょう?」
 辛辣な正純とすずなが先は見えているという表情で返事をすれば、焔はがさごそとポケットの中から依頼書を取り出した。
 タイムもじぃーっと焔を見つめ、そしてこれからの未来を予兆しそっと扉に近づいていく。
「でも、困っているひとが居るならとりあえず内容だけでも聞いてみないといけないわね。ね、すずな」
「なんで話を振るんですか!」
「ええ……焔様の信用は兎も角として、依頼があるならばまずは聞いてみませんと」
 小夜とヴァイオレットは依頼であるなら協力的なスタンスである。内容次第ではあるだろうが。
「とりあえず見てから判断してみない? どうせ焔一人じゃアタシ達全員の参加手続きなんて出来やしないわよ」
「そうだな。見てみるとしよう、ほら、依頼書を貸してくれ」
「うん、いいよ!」
 コルネリアとブレンダに促されるままに依頼書をほどくブレンダ。コルネリアはそれを後ろから見守る。

 =====依頼内容=====
 幼少期の初恋の人を探しています。
 見つけるために学園系ハーレムものを装って恋人のフリをしてください。
 ==============
「焔?」
「なあに?」
「普通の依頼とは……??」
「困ってる人を助けるだけの普通の依頼だよね? ちょっと服装はあれかもしれないけど……メイドやバニーよりは普通でしょ!」
 誇らしげに語る焔を詰めるリア。クラリーチェは思わず頭を抱えたのだった。

●あーあ!
 焔:多分何も感じないのでやばめの制服でもいいと思います
 クラリーチェ:ロングスカートセーラー服!!!!!!!
 リア:山田と鈴木と田中が泣いてる。風紀を乱す風紀委員長なのでは?
 すずな:かわいこちゃん。良いからセーラー服だ! 白セーラーください
 小夜:もしも叶うならセーラー服にベレー帽も添えてほしい
 ヴァイオレット:ゲームなら多分ショップでサポートしてくれる。でも無理なんだ。こんなにかわいいから。
 タイム:ブレザーにリボンお願いします。靴下はもちろん白
 正純:保健室の先生。近寄るとやけどする。白衣……
 ブレンダ:希少な先生枠。先生にフラれました!!!!
 コルネリア:33。何とは言わんが。太古の遺産(動詞)してください。
執筆:
人のこころとかないんか?

「新しい新入部員をつれてきたよ!」
「ちょっと焔さん、これはどういうことですか!」
 メンツを見るなりうわあって顔をしたのはアルテミア。世界とは残酷なのだ。つまり犠牲者が増えました。
「…………アオイ」
 きゅって不安そうな顔してるのはメス化ノルンことリウィルディア。清楚枠から引きずり出されたのだろう、心中お察しする。
「にしても……すまない、質問があるのだが」
「私達は何をすれば良いのでしょう」
 十七号と椿が首をかしげた。まだ趣旨を理解してない、あるいはしたくないのである。
「ふっふーん、まあ任せてよ!」

「ええと……」
「……この、服は?」
 とりあえず犠牲にしてみたのだろう。リディアとレディなボディがなんかとんでもないことになっている。ご想像にお任せします!
「……エルスさん、もしかして」
「ええそうね、アイラ。逃げるが勝ちよ!」
「ええい、背を向けるのは些か不満じゃが仕方ない!」
 タイム式逃走術も焔の前には敵わない。なんか可哀想なので捕まった皆さんには手心を加えるべきだと思います。
「今からミニスカナースで診察にいくよ!!!」
執筆:
討伐依頼:くノ一風衣装じゃないと攻撃が通らない夜妖
「焔ァ!!」
「違うんだよリアちゃん! 今回はくノ一風衣装じゃないと攻撃が通らない夜妖が出たんだよ!!」
「なんでもかんでも夜妖の所為にしてんじゃないわよ!!」
「本当なんだってばぁ!!」
「えっこれ巫女服って認めたくないんですが……」
「何この靴下……長すぎない……?」
 再現性東京のとあるビルのとある更衣室。
 リアの怒号が飛び、げっそりした表情の麗しき乙女たちが各々用意された衣装に腕を通していた。
 今回の依頼内容は【くノ一風衣装じゃないと攻撃が通らない夜妖が出たので用意されたくノ一風衣装を着て討伐せよ】とのことである。
 夜妖のことなんか便利な導入装置だと思ってないですか???
 たぶんみんな思ってるけどこれはちゃんとした依頼です、仕方ないですね。
 
 リアは清楚なシスター服に見えるけど、よく見たら網タイツみたいなインナー着て再度がえっぐいスリットのくノ一に。
 正純は絶対領域が眩しいミニスカ巫女さん風くノ一。
 コルネリアは一周まわって最近はやっているというJKスタイルのくノ一でルーズソックスに苦戦していた。
 何故か知らないが小道具としてガラケーも用意されており、彼女だけ時の流れがちょっと前に設定されていた。

 その中でヴァイオレットだけはどことなくゴキゲンな様子であった。
 彼女はエナメル生地の黒々とした衣装を手に取っていた。

「ワタクシは嫌いではありませんよ。動きやすそうですし、陰に潜むのにもうってつけでしょうし」
 つぅっと艶やかな生地をヴァイオレットの指が艶めかしくなぞる。なんなら普段来ている衣装とそんなに変わらない。
 むしろ自身の身体をも武器の一つとして考えているヴァイオレットにとっては好ましくさえある。
 しかし焔はヴァイオレットからくノ一衣装を取り上げると別の衣装をヴァイオレットに差し出した。
「あっ、ヴァイオレットちゃん! それ、ボクのみたいだよ。ヴァイオレットちゃんはこっち!」
「おや、それは失礼しましいやああああなんですかこれえええええええええ」
 ヴァイオレットの悲鳴が響き渡った。

【コスプレ同好会~本日のメニュ~】
 焔:黒エナメルボンテージ風くノ一衣装~ピンヒールを添えて~
 正純:ミニスカアームカバー巫女風くノ一衣装~高下駄ブーツは浪漫~
 リア:網タイツ聖職者風くノ一衣装~サイドスリットFU☆TO☆MO☆MO~
 コルネリア:再現性東京2000年初期JK風くノ一衣装~ルーズソックスとガラケーで殴れ~
 ヴァイオレット:ふりふりふわふわフリルたっぷりロリィタくノ一衣装~縞々ニーソでお届けします~
執筆:

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