幕間
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関連キャラクター:長月・イナリ
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- 起動、軌道、奇道、――わずかに一時停止。
- お稲荷様、おイナリさま。
本日の報告です、お納めください。
ひとつ、天気快晴やや湿気あり
ふたつ、戦闘システム異常なし、常時出撃可能
みっつ、イナ……竹駒さんがこっそりお供えのお饅頭を食べていました
よっつ、ここだけの話ですが――
――以上、本日の報告を終わります。
お納めください、お稲荷様。 - 執筆:まなづる牡丹
- 夕暮れ時、遊園地で
- 夕暮れ時。
遊園地。
遠くからでもわかる観覧車。
そして静寂。
すっかり荒れ果ててしまっている場所。
建物も朽ち、地面もひび割れ、草が、木が。
誰もいない。
そう、自分ーーイナリ以外は。
「はー、こんなところがあるのね」
どこか遠くへ行ってみたい。ならば混沌世界でもいいが、それだけではもったいない。
折角、境界図書館などというものがあるのだ。ライブノベルの世界にも行かない手はない。
そしてこういう退廃的であり幻想的な場所を境界案内人に紹介されたが、どうやら本人の趣味らしい。
その際に遊園地とは何か、説明はされて来たが。
そういえば鉄帝の方にも遊園地があったか。
ジェットコースターのレールを歩く。
これがただの一般人なら傍から見れば、それこそ何をしているんだ、となる訳だが。
このジェットコースターが動いていた時は、それこそ数多もの人間が絶叫していた事だろう。
もし自分がこれに乗ったらどのような反応をするだろうか。
イナリはそんな事に思いを馳せるのだった。
地面に降り、園内を散策。
今はもう動かない乗り物たち。ぬいぐるみ式のパンダカー。
食べ歩きができるような物を売っていただろう、飲食店。
寂寥感。
かつては賑わっていたはずの夢の地。現実を忘れる為の場。
その場所がおいてきぼりとなり、今度は現実から忘れ去られた場所となってしまった。
今度は遊園地を一望できる観覧車、その頂上。
観覧車もやはり動かないがそこはそれ、境界案内人から飛行薬を貰ってきている。
沈みゆく夕日。
赤い世界に代わり、降りる夜の帳。
始まるものがあれば終わるものもある。そしてまた別の何かが終わる。
自分の役割もいずれは終わる時が来るのだろうか。
そんな事を思いつつ、帰路に就くのだった。 - 執筆:アルク
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