PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

潮騒商館

関連キャラクター:ラダ・ジグリ

In this morning.

 窓の隙間より聞こえる波の音。商人たちの声や、行き交う人たちの足音、まばらに木霊した生活音。
 ここはラダが独立して立ち上げた港町の商会、その商館。
 困り事から発注まで、貴方の望むままになんでもごされ。
 気取りすぎない硝子の証明はラダのこだわり、そのひとつ。
 自ら選び、自ら築き、自ら率いる。そんなこの商館と商会をラダが大切に思っているのは手に取るように明白で。
(……さて、と)
 まだ慣れない商会長の称号。其処まで広くはなくていいのだと注文した筈なのだけれど、随分と広く頂いてしまった会長の部屋。
 溜まった書類の山をひとつ何とかしたところで、グラスに注がれた珈琲を口に含む。
 ほどよい苦味に口元がゆるゆると緩んでいく。
 この称号の重みは喜ばしく、そして誇らしく。そしていつか、他人にとってもそうなれるように。
 勿論今だってそうなのだけれど――ラダにとってはまだまだ及第点にすら届かない。
 うんと伸びをしたその手の先に広がる天井を掴めるくらいには……なんて。考えてしまった自分の思考に、思わず笑みが溢れた。
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