PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

きょうの( ‘ᾥ’ )

関連キャラクター:リコリス・ウォルハント・ローア

魔女と狼と焼肉と
 場所は練達、再現性東京のとある焼き肉店。
 アーリアとリコリスは案内された個室で女二人焼き肉を楽しんでいた。

「リーコリスちゃん」
「ふぁふぃ? ふぁーふぃあふぁん!!(何、アーリアさん!!)」
「うふふ、お口にタレが付いているわよぉ」
 ふきふきと紙ナプキンでアーリアがリコリスの口元を拭ってやると、リコリスはふふーと目を細めてはちきれんばかりに尻尾を振った。
 リコリスは人にお世話されるのが好きなのである。孤高の一匹狼を自称する癖に。(なお、周囲からはお前には無理だと言われているがその話は割愛する)
「ありがとう、アーリアさん!」
「ふふっ、どういたしまして。リコリスちゃんお肉好きよねぇ」
「うん、ボクお肉大好き!!」
 満面の笑みで元気よく答えるので、つい構いたくなるのだ。
 この狼、愛される術を知っている。いや自覚しているかは知らないが。
 なので、アーリアはまたあらあらと笑ってトングで肉を掴んで網の上に肉を敷いてやる。
「まだまだあるから、いーっぱい食べて良いわよぉ」
「本当!?」
 じゅうっと肉の焼ける音と、良い感じに焼けていく様にリコリスは( ‘ᾥ’ )ジッ…と見つめている。
(あの顔本当にどうやってるのかしら?)
 アーリアは不思議だったが、肉を焼くのに集中することにした。
 序に通りかかった店員を呼び止め空になったジョッキを見せてお代わりを要求する。
 愛想のいい店員は数分後黄金色の液体が注がれたジョッキを持ってきた。
「ありがとう」
 アーリアが手を振れば、ちょっとデレデレした様子で店員は帰っていった。
「アーリアさんもソレ好きだよね?」
「ええ、生命の水よ」
「せいめいのみず」
「この間の梅酒も美味しかったけど、やっぱ焼肉にはこれよねぇ~!」
 ぐいっと豪快にジョッキを煽って、ぷはぁっと吐き出す。
 こののど越しの為に普段頑張っていると言っても過言ではない。
 あんまりにもアーリアが美味しそうに、ビールを飲むのでリコリスの椎茸目がきらきら輝いた。

「それ、ボクも飲んでいい?」
「リコリスちゃんはあと三年の我慢ねぇ、これお酒だから」
「なんだぁ……」
 興味津々に身を乗り出し、すんすんと鼻を鳴らしたかと思えばしょんぼり耳を伏せるリコリス。
 表情がころころ変わって、判りやすいのがなんとも可愛らしい。
 慰める様にふわふわの頭を撫でてやると、リコリスのゴキゲンは急上昇。また尻尾がぶんぶん揺れて気持ちよさそうに目を細めている。
(やっぱりこの子『狼』というより『ワンちゃん』よねぇ)
「アーリアさん?」
「なんでもないわぁ、さ、もっと食べましょ」
「うん!!」

 なおこの後、酒をたらふく流し込んだアーリアがべろべろになり、リコリスはそれにビビり散らかすことになる。
 
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