PandoraPartyProject

幕間

きょうの( ‘ᾥ’ )

関連キャラクター:リコリス・ウォルハント・ローア

「どんな味か気になったんだもん」
「おや、リコリスさん何を食べているのかな?」
「ん~~?」
 愛銃の手入れをしていたリーディアは隣でじっと手元を見ていた愛弟子の口がもごもごしていることに気が付いた。
 リコリスは食いしん坊なきらいがあり、よく口をもごもごさせていた。
 キャンディだろうか? クッキーだろうか?
 可愛らしいリコリスの姿にリーディアは自然と笑み零す。後で何か買ってあげようと、再度手愛銃の手入れに戻る。
「……あれ?」
 弾丸が一つ足りない気がする。もう一度数え直してみるが、やはり一つ足りない。
「リコリスさん、そっちに弾丸が転がっていないかな」
「お師匠~……」
「うん? おや、どうしたんだいその顔」
 眉間に皺をよせ、不味そうな顔でもごもごし続けていたリコリスは言った。
「弾丸って美味しくないね……」
「今すぐぺっしなさい!!!」
執筆:
( ‘ᾥ’ )<がりごりごりごりごり かたい
「ねえねえヴェルミリオさん、ボク骨はカルシウムで強くなるって聞いたよ!」
「おお、リコリス殿は博識ですな! そうです、スケさんも毎日カルシウムを摂っているので骨折知らずですぞ!」
「でね、カルシウムって骨に入ってるんだよね?」
「そうですぞ……んん? リコリス殿涎が、その」
「いただきまーす! あれ、硬いね?」
「リコリス殿、骨は骨でもスケさんは食用ではなくですね、アッそこは! お客様そこは! アーッ!」
( ‘ᾥ’ ) <あまいものってきいたもん!
「あれ、幻介くん! それなに?」
「これか? 鍔に御座る。そろそろ摩耗が激しくなってきたゆえな、交換しようと新調したのよ」
「へぇ〜! これがツバ! 綺麗だねぇ!」
「ああ、鍔は鍔工師という職人が作っていてな。モノによっては綺麗な装飾も──」
(ごりごりごり)「硬(かちゃ)い」
「お゛ぁーーーーーーッ!? 何してんだ!?」
「お師匠言ってた! ツバは美味しい!」(ごりごりごり)
「それは『きんつば』だリコリーーーース!!」

ゴチ( ‘ᾥ’ )ン!!!
執筆:和了
フリアノン・プリン(固め)
「あああああっ、先に食べただろ! 皆のデザート用に買って来たフリアノン・プリン! 先にデザート食べちゃ駄目だろリコリス!」
 冒険者依頼と言えば野営、覇竜にある静かな湖畔は夕暮れで、荒々しくも美しい大自然が広がっているのだが……それを台無しにするように少年の声が響き渡った。温かな焚火の前では、口の端にプリンの破片を付けた狼耳の少女に角の生えた少年がじとっとした目付きで食って掛かっている。
「えー、先に食べても後に食べてもお腹には入るんだよ?」
「そういうんじゃなくて! 皆で一緒に食べるのがこういうのはルールだろ! しかも大きな方が消えてる……!」
 恨めし気に標・預安はリコリス・ウォルハント・ローアの胸をぽかぽかと叩こうとする。しかし相手が年上の娘だということに気付き手を引っ込めた。行き場所のない感情がじたばたと妙な踊りとなって預安の手足を動かしている。それは地団駄を踏んでいるようにも見え、非常に間の抜けた様子であった。
「いいもんー小さい方のプリンはちょっとお高い大人の固めプリンだからなーうらやましがれよ! ほら! 旨そうだろ!」
「大きい方はふにふにで食べ応えあったよ?」
「うるへー! やーいやーい子ども舌ー! 大人のカラメルの苦さなんてどうせわからないものなー? あーおいしいおいしいー」
 わざとらしくリコリスを羨ましがらせようとする預安。自分自身の行動が子どもじみた行いだということには、全くもって気付いていないようであった。
「( ‘ᾥ’ )」
 何とも言えない顔になったリコリスの手が素早く閃く。片手には大匙。狙うは預安のプリン。

「んー! ほろ甘苦いのもおいしいよね、預安さん!」
「ああっ僕のプリンーーーー!!!! 兄さんたち以上にひどいよ!! 血も涙もないんだなリコリス!!」
 狩人の早業によって大匙で掬い取られた結果、一気に量が減った預安のプリンであった。
執筆:蔭沢 菫
( ‘ᾥ’ )<あめちゃん!
からころからころからころからころ。
「んむーー」
からころからころからころからころ。
「んあーー」

 真昼のとある室内で、からころと口の中で何かを転がすリコリス。
 そんなリコリスの様子にまた今日もなにかやっているなと思いながらも、幻介は換金のための宝石を入れた袋を探す。
 だがいつの間にかしぼんでいる袋の中身に気づいたのか、幻介は首を傾げながらも辺りを探して回った。
 当然ながら、見つからない。はて、何処へ消えたのかと幻介は近くにいたリコリスに問いかけた。

「リコリス殿、宝石を見かけておらぬか??」
「んむーー? 知らないー」

 知らないと答えるリコリスのほっぺは、ちょっぴり膨らんではしぼむ。口の中になにかがあることは間違いないと知らしめるように。
 それに気づいた幻介は、もしや……と思いついてしまったがゆえに、1つ別の質問を投げかけた。

「……リコリス殿、正直に答えていただきたい。今、何を食べておられる?」
「あめちゃん!」

 んべ、と口を開けた中には……キラキラと輝く換金用の宝石。
 そのまま、ぺっしなさい!! と幻介に怒られたリコリスは( ‘ᾥ’ )の顔のまましょぼしょぼとお部屋を出ていった……。
( ‘ᾥ’ )(訳:やだ)

 ( ‘ᾥ’ )

 ( ‘ᾥ’三  キョロキョロ 三 ‘ᾥ’ )

 ( ‘ᾥ’ )アムッ


「ぺっしなさい」
「ふぁふぁ」(訳:やだ)
「口を開けなさい」
「ふぁふぁ」(訳:やだ)
「……仕方ない、このフランスパンは別の人に配るか」
「ふぁー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」(訳:ひめい)

 ( ‘ᾥ’ )ペッ


 ▼零は 塗れたカスタネット を 手に入れた!

「どうして??????????」
執筆:
( ‘ᾥ’ )(たぬしっぽをべしょべしょにしている顔)
●一応聞いてあげる
「リコリス? 何をしておるのだ?」
「たぬきの尻尾食べてる! おいしいよ!」
 あむあむあむあむあむあむあむ。
 汰磨羈がやさし~く聞いてあげている間もリコリスは彼女の尾をあむあむして、汰磨羈が毎日綺麗に整えている毛をべしょべしょにしている。
「たぬきじゃないわ! おいしいよ、じゃないわ!」
「こういうの、あれだよね。出汁が効いてるっていうんだよね!」
「御主失礼が過ぎるぞ!? 毎日風呂に浸かっておるわ!」
「ふぅん、これがたぬき味かぁ」
「ねこだが?」
「二本あるし、一本貰ってもいいよね?」
「よくないが? どうして他人の尻尾を食べるという発想に行き着くのだ……」
「そこに尻尾があったから!」
 どうやら話は平行線。……平行線にすらなっていない。
 汰磨羈の無事な方の尻尾はリコリスをペンペン叩いているが、リコリスは変わらずあむあむやっている。
 ――これでは埒が明かない!
 そう思った汰磨羈は実力行使に出た!

 ぽこん! (※注:たぬきっぽい音ではなく叩く音)

「あいたっ」
 いきなり叩かれたリコリスは(自分のことを背が届きそうにもない棚の上に上げて)汰磨羈をキッと睨んだ。
「いきなり攻撃したらいけないんだよ! お師匠が言ってた!」
 ドアを開ける時は踵でノックする(蹴破る)のが基本でマナーの世界に生きていそうな娘がそんなことを言う。
「先に食いついてきたのは御主だ」
「尻尾が落ちていたら食べていいんだよ! お師匠も言っ――」
 ――ってない、かもしれない。だって師匠の尻尾はもふもふだ。ガブッとしても怒られはしないだろうけれど。
 しかし、ここで退くわけにはいかない。
「いいもん、もう手加減なんてしてあげないよ! ガブッと食べちゃうもんね!」
「痛っ!!?!」

  ……。  ……。
 (#˙꒳˙)  ( ‘ᾥ’#)

 ((꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆ c˛c( ‘ᾥ’c˛c))

 これが後に言う、『混沌わんぽこ合戦』の始まりであった――。


●ねえ知ってる?
 喧嘩って同レベルの相手とじゃないと起きないそうだよ。

 ( ‘ᾥ’ )解せぬ。
 (˙꒳˙)こちらのセリフだ。
執筆:壱花
狼狐と味噌汁と
 任務明け、朝日が顔を出した頃リコリスは腹を摩っていた。きゅうと鳴った腹の音は今ので何回目だっただろうか。
「お腹すいたよぉ……お師匠、ご飯……今いないんだった……」
 しょぼんり耳と大きな尻尾をリコリスは下げる。大好きな師匠は今単独任務の真っ最中で傍に居ない。とぼとぼリコリスは歩く。
 すん……とよく効く鼻に届いたのは優しくていい匂い。ばっと顔を上げ「食べ物の匂い!」と駆け出して、匂いの元を辿って猛ダッシュ。
「ご飯!!!」
「うぉぁ!?」
 ばばーんと引き戸を勢い良く開ければ、ビクッと跳ねた尻尾と見知った顔がいた。
「あれ、嘉六おにーさん!」
「あ? なんだ、お嬢ちゃんか。なんか用か?」
「いい匂い! 何作ってるの?」
「えっ、無視……?」
 するりと脇を通り抜けたリコリスが覗き込んだのは鍋だった。すんすんと匂いを嗅いで目が爛々と輝いている。
「ん? お嬢ちゃん味噌汁知らねぇのか? ああ、いや無理もないか」
「ミソシル?」
「発音が若干違うがまあいいか。味噌って調味料で味をつけた飲む料理だ」
「スープのこと?」
「そうそう。こいつが美味いんだ、良かったら一杯飲んでくか?」
「いいの!?」
 ぶおんぶおんとはちきれんばかりに揺れる尻尾とじょぱぁと涎が滲む口元に嘉六は喉の奥で笑う。
 赤いお椀を戸棚から取り出し、お玉で味噌汁を注いでやる。今日は豆腐とわかめの王道の組み合わせだった。
「そら、熱いから気ぃつけな」
「わぁ……! あったかい! いただきます!」
 ふわぁっと味噌と出汁のいい香りが口の中に広がり、冷えた体を温める。豆腐は程よい硬さで、わかめの歯応えが楽しい。
 こくんこくんと、飲んでリコリスはほっと一息ついた。
「美味しい! 嘉六さんってお料理上手なんだねぇ」
「朝は必ず味噌汁飲んでるからな、慣れたもんよ」
 美味しい美味しいと満面の笑みで嘉六の味噌汁を堪能していたリコリスだが、ふと気づいた。
 ここ、誰の家だろう?
 部屋の奥を覗くと布団が動いて、綺麗な黒髪がさらり。尊敬の眼差しから一転、呆れた眼差しで嘉六を見上げた。
「なんだ、今気づいたのか? 安心しろよお嬢ちゃんは取って食いやしないから」
「( ‘ᾥ’ )」
「えっ、何その顔……? でも、まぁ」
 つい、と嘉六の節くれだった指先がリコリスの顎を掬う。
「お嬢ちゃんがあと三年程たったら、わからねぇがな」
 揶揄う声は愉しそうで、細められた柘榴の双眸と低い声は甘やかだ。
 
 お師匠が言ってた。
 こう言う時はそう、魔法の言葉を言うんだよって。
「おまわりさん!!こっちです!!!!」
「やめろやめろやめろ!!!!」
執筆:
魔女と狼と焼肉と
 場所は練達、再現性東京のとある焼き肉店。
 アーリアとリコリスは案内された個室で女二人焼き肉を楽しんでいた。

「リーコリスちゃん」
「ふぁふぃ? ふぁーふぃあふぁん!!(何、アーリアさん!!)」
「うふふ、お口にタレが付いているわよぉ」
 ふきふきと紙ナプキンでアーリアがリコリスの口元を拭ってやると、リコリスはふふーと目を細めてはちきれんばかりに尻尾を振った。
 リコリスは人にお世話されるのが好きなのである。孤高の一匹狼を自称する癖に。(なお、周囲からはお前には無理だと言われているがその話は割愛する)
「ありがとう、アーリアさん!」
「ふふっ、どういたしまして。リコリスちゃんお肉好きよねぇ」
「うん、ボクお肉大好き!!」
 満面の笑みで元気よく答えるので、つい構いたくなるのだ。
 この狼、愛される術を知っている。いや自覚しているかは知らないが。
 なので、アーリアはまたあらあらと笑ってトングで肉を掴んで網の上に肉を敷いてやる。
「まだまだあるから、いーっぱい食べて良いわよぉ」
「本当!?」
 じゅうっと肉の焼ける音と、良い感じに焼けていく様にリコリスは( ‘ᾥ’ )ジッ…と見つめている。
(あの顔本当にどうやってるのかしら?)
 アーリアは不思議だったが、肉を焼くのに集中することにした。
 序に通りかかった店員を呼び止め空になったジョッキを見せてお代わりを要求する。
 愛想のいい店員は数分後黄金色の液体が注がれたジョッキを持ってきた。
「ありがとう」
 アーリアが手を振れば、ちょっとデレデレした様子で店員は帰っていった。
「アーリアさんもソレ好きだよね?」
「ええ、生命の水よ」
「せいめいのみず」
「この間の梅酒も美味しかったけど、やっぱ焼肉にはこれよねぇ~!」
 ぐいっと豪快にジョッキを煽って、ぷはぁっと吐き出す。
 こののど越しの為に普段頑張っていると言っても過言ではない。
 あんまりにもアーリアが美味しそうに、ビールを飲むのでリコリスの椎茸目がきらきら輝いた。

「それ、ボクも飲んでいい?」
「リコリスちゃんはあと三年の我慢ねぇ、これお酒だから」
「なんだぁ……」
 興味津々に身を乗り出し、すんすんと鼻を鳴らしたかと思えばしょんぼり耳を伏せるリコリス。
 表情がころころ変わって、判りやすいのがなんとも可愛らしい。
 慰める様にふわふわの頭を撫でてやると、リコリスのゴキゲンは急上昇。また尻尾がぶんぶん揺れて気持ちよさそうに目を細めている。
(やっぱりこの子『狼』というより『ワンちゃん』よねぇ)
「アーリアさん?」
「なんでもないわぁ、さ、もっと食べましょ」
「うん!!」

 なおこの後、酒をたらふく流し込んだアーリアがべろべろになり、リコリスはそれにビビり散らかすことになる。
 
執筆:

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