幕間
ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。
セララの幕間
セララの幕間
関連キャラクター:セララ
- ドーナツ屋訪問記・練達編 スピンオフ
- 5周年パーティーから幾日か経ち。
セララは練達のとあるドーナツ屋にやって来ていた。
パーティーの準備を手伝ってくれた人達にお礼も兼ねて報告にやって来ているのだ。
そしてここのドーナツ屋で最後である。
しばしの談笑。
折角なのでドーナツも注文する。
セララの前に差し出されるドーナツとは別にもう一つ。
ブラックコーヒー。
思わずジト目になるセララ。
仕方があるまい。苦手なのだから。
ならばなぜ注文をしたのか。
セララとしては克服しておきたいのだ。
このお店もそうだが、ブラックコーヒーと併せてドーナツを注文するのが定番のお店はよくある。
実際に合うのかもしれないが、それはそれ。
「うぅ、苦い……」
うん、やっぱり好きになれない。
ドーナツは好きだ。
だが、本当に好きなら都合のいいものだけやっていればいい、という事にはならない。
特にこういう嗜好品は好き嫌いが現れやすいし、気にしなくても良いのかもしれない。
が、本当にドーナツが好きであればブラックコーヒーを克服する必要がある。……と思う。
ーー砂糖とミルク、入れるかい?
ちょっと意地悪そうに聞いてくる店主。
「ううん!大丈夫!」
そう言い切って見せるが、手がすすまぬ。
一口飲んでは手を止め、一口飲んではまた手を止め。苦そうな表情もして。
その間にドーナツはすっかりなくなってしまった。思わず追加してしまう。
その様子に店主は面白そうに見ているが、当の本人は真剣である。
終始苦そうな顔をしているセララ。
その後もブラックコーヒーを克服しようとチャレンジしているセララの姿が見られたという。 - 執筆:アルク