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幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

セララの幕間

関連キャラクター:セララ

ドーナツ屋訪問記・天義編
 とある学校。
 調理室を借りたセララが子供達の前に立つ。
「今日はドーナツを作るよ!」
「はーい!」
 元気に返事をする子供達。
 セララによるドーナツの料理教室である。
 なぜこんな事をしているのかと言われれば。

 ローレット。仕事を探しに来たセララ。
 いつも通り無数の依頼が並んでいる。
「……ん?」
 依頼の一つに目が留まる。
『子供達に料理を教えて頂ける方、募集』
 中身を見れば天義の孤児院である。
 天義といえば。
 冠位魔種『強欲』による冥刻イクリプスが発端による復興。
 その事件が原因で孤児も増えている。
 更にアドラスティアという問題まで発生してた。
 だが、人も資金も足りない為に中々手が回りきらない。
 とはいえ、それは『大人の事情』である為、子供には無関係である。
 天義としては当然何もしないという選択肢はない。
 セララが情報屋に聞いてみれば。
 今回の孤児院も例に漏れずお金がない。
 資金繰りに相当苦労したようだが、どうにか材料費と僅かばかりとはいえ報酬金を出せるようになった。
「うーん……」
「どうしたの?」
 何か考え込むセララ。情報屋が聞いてみれば。
「お金、ないんだよね?」
 報酬金が出せるとはいえ、貧乏である事に変わりはない。
 ならば。
 報酬金はなし、材料費も半分こちらで持てないか。
 セララの提案。
 依頼者との調整は最初は遠慮こそされたが、最後には無事に通過。
 そしてセララの趣味はお菓子作りである。この依頼をセララが受けるという形で仕事として成り立った訳だ。
 しかも子供の数もそれなりにいる為、どこか広い調理スペースを確保できる場所が欲しい。
 そんな時にたまたま学校の調理室を借りる事が出来たのだ。
 以上、長い回想終わり。

 とはいえ、手の込んだものは子供には無理だろう。
 10分ぐらいで作れるレシピがある。
 これなら少し時間あれば数は作れる筈だ。
 油で揚げる時は職員も一緒にやってもらえばいい。
 揚げる時はコツがあるのだが、仮に形が歪であったとしてもご愛敬というものだ。
 しばらくして完成。
 皿に盛り付け、着席。
 手を合わせ
「いっただきまーす!」
 終始笑顔の絶えない料理教室であったという。
執筆:アルク

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