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幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

セララの幕間

関連キャラクター:セララ

セララのドーナツ屋繁盛記・境界編
ーードーナツを作りたい?
 こてん、と首を傾げたのは境界案内人のミヤコである。
 そしてこの話を持ち掛けたのはセララである。
 もっと厳密に言えばライブノベルの材料を使ってドーナツを作りたい、ではあるが。
「できるでしょ?」
ーーそれは勿論。でも材料を何を使うかなんだけど。
 ドーナツの材料と一口に言っても、どんなドーナツを作るかで変わってくるのだ。
 生地にホットケーキミックスを使うモノや薄力粉やベーキングパウダーを使うモノ。
 トッピング用の材料となればそれこそ無数にあるだろう。
 具体的にどんなドーナツを作りたいのかはっきりしない事には材料など集められない。
「うーん、そうだなぁ」
 少しの沈黙。
「ミヤコってファンタジー世界の出身なんだっけ?」
ーーああ。幻想世界アーレイベルクってとこのね。
 この世界はトラブルや事件が発生したりはあるが、それこそ魔王が現れたりなど世界レベルのそれはない。
 いずれも各国の軍や自治組織が普通に対応できる問題しか起きない割と平和な世界である。
ーー……なるほど、あそこで材料を集めるんだね?
「うん、だから案内してよミヤコ!」
ーー喜んで。

 そして。
 材料を集めるついでに観光したり珍しい卵があるからとモンスターの巣へ頂戴しに行ったり。
 ちなみに。その卵はコカトリスと呼ばれる鶏のような怪鳥である。
 その生態は恐ろしいものであるがここではそのあたりは割愛するとして。
 以外にもこの鳥、草食性である。
 その卵はコカトリスの巨体から想像できる通り大きく、大味ではなく繊細であり、黄身が濃厚である。
 産卵数自体も凄く少ないうえ、コカトリスは対峙した時の危険性が非常に高い為に希少品として超高額で取引される代物である。
「あ……つまったぁ……」
 境界図書館のミヤコの書斎。
 そこに戻ってきた2人はやはり疲弊していた。特にセララはコカトリスとの戦闘でボロボロである。
 そのコカトリス自体はなんら罪もない為、気絶してもらっただけである。
ーー少し休憩したらドーナツを作ろうか……。
「う、うん……」
 それから少しして。
 材料をすべて使い切るつもりでドーナツを作ったのだが。
「……やっぱり多すぎない?」
ーー……そうだね。
 コカトリスの卵が大きすぎた為にドーナツの山が何皿も出来がってしまったのだ。
 その後。境界図書館にいる境界案内人を集め、ドーナツパーティーが開かれたという。
執筆:アルク

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