PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

スケさんぽ

関連キャラクター:ヴェルミリオ=スケルトン=ファロ

〇〇しないと出られないダンジョン
 ガキィン。金属のぶつかり合う音がする。
「くそっ、なんなんだこいつ!」
 距離を取りながらマカライトは悪態をつく。切っても焼いてもダメージを与えられないダンジョンのボスに、段々と焦りが浮かぶ。
「ヴェルミリオ、対処法はないのかっ!」
「思いつていたらとっくに試しているのですぞ!」
 マカライトの声にヴェルミリオも反応を返すが、その声に焦りはなくむしろ嬉々とした声に聞こえる。楽しんでいるのだろうこのダンジョンの不可解さを。
「というか、こちらが攻撃しているのにボスは全く反応を見せないのですぞ。攻撃自体無駄で他に方法があるのでは?」
 ヴェルミリオの言葉にマカライトは視線をボスへと向ける。ゴーレムと言われるような造形のそれは攻撃を防ぐ自動防御機能だけで特に何もしてこないのは確かにそうだった。だって今も自分たちは無防備だ。それなのに攻撃動作が見えない。
「攻略法もなけりゃ、起動してるかもどうか怪しいってところか?どうするんだ」
 マカライトがヴェルミリオに近付きそう言った時にゴーレムの腕が動く。2人ともすぐに反応示したがそれは攻撃動作ではなかった。彼らの前に文字が浮かぶ。
「〇〇ックスを〇〇ないとここから出ることはない」
 ゴーレムが広げた腕には、魔術か何かで浮かんだ文字が綴られていたが、所々読めなくなっている。
「はああああああっ?!」
 硬直から先に解けたのはマカライトだった。
「何だこの、古の貴腐人が作ったみたいな阿呆なダンジョンボスは!!」
 誤字ではないよ。
「ス、スケさんとマカライト殿が?!」
 ヴェルミリオはくねくねと体をくねらせる。誰がするか!!!とマカライトはヴェルミリオの頭蓋骨を叩く。マカライトの方にダメージがいった。
 マカライトは攻撃が通らなかった時とは別の焦りを見せ始める。こんなクソみたいなダンジョンで共倒れもクソお題実行もごめんである。
さあどうするマカライト!君の未来もヴェルミリオの未来も君の行動次第だ!……ヴェルミリオは生き延びるかもしれないけれど。頑張れ、マカライト。負けるな、マカライト、


 因みに彼らは無事に脱出できたし、お題は「ソックスをはかないと出られない」だった。マカライトは八つ当たりの様にヴェルミリオをしばいたし、ヴェルミリオも反省して突発的にダンジョンに誘う事はなくなったとかなんとか。
 めでたしめでたし。
執筆:紫獄

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