幕間
スケさんぽ
スケさんぽ
関連キャラクター:ヴェルミリオ=スケルトン=ファロ
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- からんころんの珍道中
- ●
ヴェルミリオは歩く。混沌の世界を、ぶらり、ぶらりと。
彼が歩くのは幻想の国。人々の往来の中に楽しそうな声が響いて、ああ、今日も微笑ましいなと眺めている。
そんな中で、ふわりと漂う甘さと香ばしさが入り混じった香り。
何処からだろうと視線を巡らせてみれば、小さな露店で出来立てのプリンにカラメルをたっぷりと掛けている場面に遭遇した。
思わずヴェルミリオは露店に近づいて、一通り商品に目を通すと露天商に声をかけてみる。
「おぉ……これはこれは。出来立てのプリンですかな?」
「はい、たった今出来たばかりなんですよ。おひとついかがです?」
「それではお一つ頂きましょう」
出来立てのプリンを受け取って、そっと口に運ぶヴェルミリオ。
固めに仕上がったプリン。なめらかな口溶けとふんわりとした卵と牛乳の素朴な甘さが口の中に広がる。
たっぷりと掛けられたカラメルソースによってほろ苦さが付け加えられ、より深い味わいのプリンへと昇華していた。
思わずこれにはヴェルミリオも舌鼓を打った。
「なんといってもこの、あとがけのカラメルソースが良い感じですぞ!」
「お気に召していただいたようでなによりです。ささ、もう一つどうですか?」
「うむ、いただきましょう!」
こうして、ヴェルミリオのプリン道中が1つ出来上がった。 - 執筆:御影イズミ
- きみのにゃ(名)は
- スケさんですぞ!
やややや! 何処からか獣の鳴き声がしますぞ!
「にゃー! にゃ!」
おおー!!
あの木の陰に横たわっているのは……猫さんではないのですかな!?
「にゃにゃにゃ!」
ふー! 茶白の毛並みでもふもふで可愛らしい猫さんではないですか!
「もし! あなたのお名前はなんというのですかな!?」
「にゃ! ny-!」じゃーんぷ
あいたたたたたた! そ! そこの骨は!
我が輩が豊穣の海で釣りあげた伝説の魚「カツウオ」の背骨の部分ですぞ!
我が輩の骨体は40%くらいが人間で、35%くらいが魔物で、残りは動物の骨で構成されているのですぞ!
…すりすり。
「どうしたのですかな? 猫さん」
「にゃん♪ にゃん♪ にゃん♪」
我が輩の足元を潜り抜けて遊んでいたら危ないのですぞ!
ふむ、旅は道連れ、世は情け、骨すり合う分け合うも他生の縁とも言いますし……。
「猫さん、我が輩と一緒にダンジョンに行きますかな?」
「にゃん! にゃにゃny!」
では一緒に行きましょうぞ! 猫さん!
いや我が輩の名前「ヴェルミリオ=スケルトン=ファロ」から二文字取って
「ミケさんや! いざ! 共に…!」
-こうしてスケさんの冒険の旅路に新たなる仲間が加わった。
これは本編では語られる事がなかった何気ない日常の一ページなのですぞ! - 執筆:アル†カナ
- 〇〇しないと出られないダンジョン
- ガキィン。金属のぶつかり合う音がする。
「くそっ、なんなんだこいつ!」
距離を取りながらマカライトは悪態をつく。切っても焼いてもダメージを与えられないダンジョンのボスに、段々と焦りが浮かぶ。
「ヴェルミリオ、対処法はないのかっ!」
「思いつていたらとっくに試しているのですぞ!」
マカライトの声にヴェルミリオも反応を返すが、その声に焦りはなくむしろ嬉々とした声に聞こえる。楽しんでいるのだろうこのダンジョンの不可解さを。
「というか、こちらが攻撃しているのにボスは全く反応を見せないのですぞ。攻撃自体無駄で他に方法があるのでは?」
ヴェルミリオの言葉にマカライトは視線をボスへと向ける。ゴーレムと言われるような造形のそれは攻撃を防ぐ自動防御機能だけで特に何もしてこないのは確かにそうだった。だって今も自分たちは無防備だ。それなのに攻撃動作が見えない。
「攻略法もなけりゃ、起動してるかもどうか怪しいってところか?どうするんだ」
マカライトがヴェルミリオに近付きそう言った時にゴーレムの腕が動く。2人ともすぐに反応示したがそれは攻撃動作ではなかった。彼らの前に文字が浮かぶ。
「〇〇ックスを〇〇ないとここから出ることはない」
ゴーレムが広げた腕には、魔術か何かで浮かんだ文字が綴られていたが、所々読めなくなっている。
「はああああああっ?!」
硬直から先に解けたのはマカライトだった。
「何だこの、古の貴腐人が作ったみたいな阿呆なダンジョンボスは!!」
誤字ではないよ。
「ス、スケさんとマカライト殿が?!」
ヴェルミリオはくねくねと体をくねらせる。誰がするか!!!とマカライトはヴェルミリオの頭蓋骨を叩く。マカライトの方にダメージがいった。
マカライトは攻撃が通らなかった時とは別の焦りを見せ始める。こんなクソみたいなダンジョンで共倒れもクソお題実行もごめんである。
さあどうするマカライト!君の未来もヴェルミリオの未来も君の行動次第だ!……ヴェルミリオは生き延びるかもしれないけれど。頑張れ、マカライト。負けるな、マカライト、
因みに彼らは無事に脱出できたし、お題は「ソックスをはかないと出られない」だった。マカライトは八つ当たりの様にヴェルミリオをしばいたし、ヴェルミリオも反省して突発的にダンジョンに誘う事はなくなったとかなんとか。
めでたしめでたし。 - 執筆:紫獄
- 骸骨兵と勇者の一幕
- 「む、罠の気配がしますぞ!」
「スケさんもそう思う? 床の色、少し違うよね」
骸骨の戦士ヴェルミリオと、勇者の一員フォルトゥナリア。
運命が交わるようには見えない二人だが――混沌においては、説話類型など関係ない。
彼らは肩を並べ、共にダンジョンを攻略していた。
「色が違う場所に罠があるのかな?」
「いや、あえての色付き床が正解ですぞ! スケさんが最近クリアしたゲームでも言ってたのですぞ」
「ゲーム?」
「早速行きまアアアアッ!?」
「スケさぁーーーーん!!」
急に視界から消えるヴェルミリオ。フォルトゥナリアは彼の名前を呼ばずにはいられなかった。
どうやら落とし穴に掛かってしまったようだ。彼女がわたわたと穴を覗くと、元気に手を振る骸骨の姿が!
「大丈夫ですぞ! 脛骨と膝蓋骨が分離した程度で済みましたぞ!」
「それは大丈夫って言えないよ!? 今ロープを下ろすね!」
冒険道具を詰めたバックパックからロープを取り出した時、普段以上に陽気な声が聞こえた。
「隠し通路がありますぞ!」
「えっ! それなら私がそっちに行くね」
するりとロープを伝った彼女を、満面の笑顔(多分)のヴェルミリオが迎える。彼が示す先には、人工的な通路があった。
「本当にこっちが正解だったんだね。凄いよスケさん」
「フォルトゥナリア殿といると勇気が湧いてくるのですぞ。そのお陰ですぞ! この調子でどんどアアアアッ!?」
「スケさぁーーーーん!!」
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何だかんだ二人は財宝をゲットし、お疲れ様会で美味しいものを食べた。 - 執筆:梢
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