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幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

メイメイと不思議いきもの図鑑

関連キャラクター:メイメイ・ルー

おおきなことり?
「カワイイネ! カワイイネ!」
「……え?」
 突然声を掛けられたメイメイは、困惑気味に足を止めた。きょろきょろと辺りを見回すも、周囲には誰もいない――?
 と思いきや、横の茂みがごそごそ動き、巨大な鳥が現れた。大型犬にも及ぶサイズの鳥は、せわしなく頭を振り、葉っぱを払い落とす。檸檬色の羽はよく手入れされていて、つややかに輝いていた。触ったらふかふかしてそうだ。
 鳥はメイメイを見つめる。返事を期待しているようだった。
「あ、ありがとうございます?」
 ひとまず、褒められたからにはお礼を言うことにした。
 一人と一羽の間に、奇妙な沈黙が落ちる。
「ダイスキダヨ! ダイスキダヨ!」
「……ありがとう、ございます」
「タダイマ!」
「お、おかえりなさい。……じゃ、なくて……!」
 勢いに呑まれかけたものの、この鳥が巨大なインコであるとメイメイは気付きつつあった。しかも、相当飼い主に可愛がられているようだ。
 散歩は一時中断。大きくなっても人懐っこいままのインコを連れて、交番所へ向かう。飼い主も探し回っていたようで、幸いすぐに再会できた。
「本当にありがとうございます。ほら、お前も礼を言いなさい。"ありがとう"って」
「アリガトウゴザイマス!」
 インコが繰り返した言葉は、飼い主よりもメイメイを真似たものに近くて、彼女は穏やかな苦笑を浮かべた。
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