PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

みんなの話:ちょっとした幕間

関連キャラクター:武器商人

ラスヴェートのおしゃべり~帰り道~
 ヨタカと武器商人、一羽とヒトリと手をつないで、てくてく歩く帰り道。ラスヴェートは隠しもせず上機嫌だった。
(かわいらしいことだねぇ。連れ出して正解だった)
(…やっぱり外へ出ると刺激になるんだろうね…。)
 番たちは視線を交わしてほほえみ合う。
「あのねあのね、お父さんパパさん。今日はね、すごくすごく楽しかったよ。味見させてもらったピザは美味しかったし、お蕎麦も美味しかったし、なによりお父さんとパパさんがね、ふたりで力を合わせてがんばるところが見れてね、なんだかすごくうれしかったんだ」
 薔薇色に頬を染め、ラスヴェートはおしゃべりする。喜色のにじんだ声は、澄んだ高い鳥の鳴き声のよう。耳へ心地よく、染み通っていく。
「それでね、孤児院の子どもたちとも仲良くなれてね。うれしかったな。リリコお姉ちゃんも元気そうで良かった。それから暦さんたちもすごく良くしてくれてね。それでね、あのね」
 ラスヴェートが言葉を区切る。
「なんだいラスヴェート」
「…どうしたんだ、ラス…。」
 あのねとラスヴェートは続けた。
「今日はね、たくさんたくさんパパさんとお父さんとおしゃべりしたいから、川の字? になって、寝てみたいな。仲の良い親子は川の字? になるんだって。暦さんたちが言ってた」
「…だって、紫月…。」
「それではリクエストにおこたえして、キングサイズのベッドを用意しよう。ラス、あの贈ったばかりのぬいぐるみを持って今夜我(アタシ)と小鳥の部屋までおいで」
「うんっ!」
 空にはぽっかりお月様。楽しい夜はまだこれから。


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