PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

みんなの話:ちょっとした幕間

関連キャラクター:武器商人

ミョールの独り言~ほっぺたぷくー~
 だいたいね、ベネラーってば抜けてるのよ。もっと自分が特別な存在になったってこと自覚しなさいよね。

 純種にはね、普通、体温ってものがあるの。だけど、あんたの手、粘土みたいにひんやりしてるじゃないの。「水仕事をしたからだよ」なんて言って笑うけれど、あたしは知ってる。前はもっと、あったかかった。覚えてる? ねえ、いっしょに買い物当番に行ったときのこと。連日の大雨で舗装されてない道はどろどろのぐちゃぐちゃ。そこらじゅう水たまりだらけ。あたしがそれを飛び越して行こうとしていたら「あぶないよ」って手をつないでくれたね。あのときのぬくもり、忘れてないんだから。
 あの魔種がきてからなにもかも変わってしまった。いちばん変わったのはあんたね、ベネラー。イレギュラーズのみんなと友達になる前みたいに引っ込み思案になっちゃってさ。ひとりででくのぼうみたいにぐるぐる同じこと考え込んじゃってさ。もっと頼ってよね。あたしは、年下であんたからすると妹みたいなもんかもしれないけど、あたしはそうは思ってないから。あんたにしかできないことがあるように、あたしにしかできないこともきっとあるはず。昔のあんたなんか知らない。なーんにも知らない。だけどそれでいいじゃない。過去なんかどうでもいいわ、だいじなのは未来よ。あたしたちはまだまだ、生きていかなくちゃいけないんだから。それを邪魔するやつは、魔種だろうとぶっとばしてやるわ。
 
 あたしは、あたしは、あんたが何者だろうとかまわないから。遠くに行かないでね、ベネラー。

PAGETOPPAGEBOTTOM