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アルヴァ=ラドスラフの白によるSS用イラスト
アルヴァ=ラドスラフの白によるSS用イラスト
イラストSS
「……何処へ行くんです?」
「え、えーと……」
愛銃を背負ったアルヴァの前に愛奈が立ちふさがった。
一方アルヴァはというと気まずそうに目を逸らして、言い訳を考えている様であった。悪戯がバレた子どもの様な姿に愛奈は溜息を吐いた。
「今日が何の日か知っているでしょう」
シャイネンナハト。すべての国が争いを止め、聖夜に想いを馳せる日である。
そんな日にアルヴァはいつも通り仕事に出かけようとしていた。
慌てて読みかけの本を放り出して、彼が出ていく寸前で身体を割り込ませたのが今である。仕事だといって無茶をしに行くアルヴァをどうして見逃せるというのか。
(どうせまた、怪我をして帰ってくるんでしょう?)
何度その白を、黒を、青を。
紅に染めたらこの男は気が付くのか。
――否、とっくにその感覚は鈍ってしまったのだろうか。
航空猟兵のリーダーという重責が、そうさせてしまったのだろうか。
「……わかったら、早く片付けてきてください」
アルヴァは頬を掻いて苦々しく笑うことしかできなかった。
(……ごめんな)
それでも、この後自分は彼女を裏切っていつもの様に羽搏くのだ。
それがどれだけ、痛みを伴う物だとしても。
※SS担当者:白