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休足/不穏
休足/不穏
イラストSS
所属する「文化保存ギルド」の一室。
イーリン・ジョーンズは、ぐったりとしてソファに身体を、足掛けに脚を預けて寛いでいた。
シャイネンナハトの一日は、彼女にとってはかなりお疲れだったようで。
どうやら、あちこちを行脚したらしいのだ。
風呂上がりのバスローブ姿で寛ぐその姿は、童顔にしてはかなり色気のあるものであった。
「まったく、今日も忙しいったらないわ」
そんな風にぼやいてみせる。
一方、足掛けの近くでマッサージオイルを手のひらに垂らす女性。
レイリー=シュタインはそんな文句を垂れるイーリンを、平静を保ったまま労う。
「はーいはい。ご苦労さまねぇ。じゃあ、脚上げてねぇ」
平静を保ったままといえば聞こえはいいが、用は聞き流しているに等しい。
イーリンはレイリーの言葉に従って、脚を上げた。
そのままレイリーは手に広げたマッサージオイルをイーリンの脚に入念に塗り始めた。
それにしても、この部屋──。
色々と不思議な様子が窺える。
まず、イーリンの傍らには散らばったタロットカード。
そして奥の棚に反射した、紅く光る謎の双眸。
それぞれが、いったい何を意味しているのか。
どことなく、この部屋には普通らしからぬ〝何か〟を感じる。
不安、不穏……。そういった類いの何かが。
しかし、それが今後どうなるのか。どういった動きを見せるのか。
それは「現在の」我々には計り知れないことである。
※SS担当:悠空(yuku)