PandoraPartyProject

イラスト詳細

「ちちち違いますからね!?ただ私は月が綺麗だなって思っただけで思わず口に出したら隣に貴方がいただけで他意はないので誤解しないでくださいよ!聞いてるんですかドーマン卿!なんで返答するんですか!!!!」

作者 黒猫
人物 シフォリィ・シリア・アルテロンド
アルテミア・フィルティス
ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ
イラスト種別 3人ピンナップクリスマス2023(サイズアップ)
納品日 2023年12月24日

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イラストSS

 ――この聖夜に、どうせ貴方は相手がいないでしょうから。

 そんな言葉と共に、アルテミアの知人であるヴァン・ドーマンを連れ出したシフォリィ。
 『貴方も女性の好みを把握してみたらどうです?』と雪の中ウィンドウショッピングを楽しみ、『どうせ貴方は此処にしか興味ないんでしょう』とばかりに軽く絵筆や画廊を回り。
 そして気付けば、あっという間に夜になっていた。

「すっかり遅くなってしまいましたね。シフォリィ殿、ありがとうございます」
「……何がですか」

 どうしてこの人の前では妙につんとしてしまうのだろう。シフォリィはヴァンを見上げる。予想した通り、判っていた通り、柔和な笑みを浮かべるうつくしい人が其処にはいて。

「貴方のお陰で、退屈な聖夜にならずに済みました。僕はこの通り、芸術ばかりにしか興味のないもので……女性がどのようなものを好むのかには全く疎いですから、大変勉強になりました」
「――そうですか。ええ、其れなら良いですとも。これで貴方もプレゼント上手になれば其れで」

 ――其れで、良いのかな。
 シフォリィは喉にひっかかる小骨のようなものを感じて、空を見上げた。月が見下ろしている。冴え冴えとした聖夜の月は、あんまりにも、本当に――

「ああ」
「シフォリィ殿?」
「月が、綺麗ですね」

 ――はっ!?

「い、いえ、違うんです今のは違います! 本当に見上げた月が綺麗だったのでうっかりまろび出ただけで全く深い意味はないんですからね!?」
「はは、判っていますよ。本当に、今日の月は綺麗ですね」
「――~~~!!! な、なんでそう貴方は!!! あなたはーー!!」

 軽く流して、軽く返して、のんびりと月を見上げるヴァン・ドーマン。そんな余裕綽々たる態度にシフォリィは何だか逆に悔しくなってしまって。石畳をとんとんと蹴りつけるように地団駄を踏むのである。
 そんなかくも(主にシフォリィの心情が)複雑な二人を――アルテミアとウィリアムは物陰から見ていた。

「ああー、シフォリィさん、そんなに頑なにならなくても……」
「というか、シフォリィさんとヴァン卿は知り合いだったのか? いつの間にあんなに仲良く」
「仲良く、というか……ううん……」

 どうなんでしょうねえ。
 アルテミアは二人の事情を知っているがゆえに、ウィリアムにどう説明した者かと苦い顔をした。まあヴァンについては良いだろうが、シフォリィは……うん、そうね……まあ此処は取り敢えず、微笑ましい二人を見守る事にしましょう。そうしましょう。

 ※SS担当:奇古譚

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