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サイズのりりんによるおまけイラスト
サイズのりりんによるおまけイラスト
イラストSS
バシャバシャとバスタブの中で激しく暴れる水面は、なけなしのタオルで下半身を隠したサイズの心そのものだ。急激に近づいた距離。泡に塗れたやわらかな肌。夫婦になったとて、裸のまま抱き合う状況に何も感じなくなる訳でもなし。停止しかけた頭にハッピーの『じゃあ体洗おっか』という言葉がリフレインしては、続く沈黙が『それは建前なんだよ』と告げていた。
対して、足がないハッピーの動揺が波を生むことはなく、けれど挑む側だとして羞恥が消えるでもなし。途絶えた声の代わりに、ぽちゃり、と響いたまぬけな号砲で回した腕に力を籠めれば、これ以上ないと思っていた距離がさらに縮まった。
彼女からすれば明るい浴室内で見えすぎてしまうのを避ける意図もあったが、サイズの心音をもう一度跳ねさせる要因だ。そして、まっすぐな瞳から伝わる覚悟を受け入れる切っ掛けにもなった。宙を彷徨っていた腕は背に添えられ、光る指輪。ごく至近距離で見合わせた赤い顔がふたつ——
——チャリ、チャリ、と鳴る鎖の音だけが唇の行方を知っていた。
※SS担当:氷雀