イラストSS

『来年もまた一緒にお酒を飲もう』
　と約束した、昨年のシャイネンナハトの日。
　無事にその約束は果たされ、ウルズとレッド本日は無礼講だと酒を飲んで、飲みまくった。
　その辺にしておいた方が……と、やんわり止めてくれる人々の善意など気づくはずもなく、上機嫌でボトルをどんどん空にしていったのである。
　店を後にし、白い雪が降る中並んで歩く二人の少女は幻想的で、少女漫画のヒロインのように可憐だった。ふと街灯の下で二人が立ち止まった。
　降る雪があまりにも綺麗だったから――なんて、ロマンチックな物ではない。

「う……」
「胃の中が……きゅってなるっす……」
　猛烈な吐き気に襲われたからであった。
　アルコールが回りに回り、体中が悲鳴を上げた結果、　胃が酒（どく）を吐きだそうと必死に頑張っているのである。神に縋る思いで助けを求めるも、ウルズとレッド以外に誰も居ない。神などいないのだと二人が痛感している間に、とうとう限界が来た。
「うっ……あたし、もう無理っす」
「ぼ、ボクも……おえっ」

　嗚呼、二人の美少女二人の口から虹色の滝がとめどなく流れている。
　モザイクのかかった虹色の滝がプリズムの煌きを放ちながら、流れている。