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ルクト・ナードの倉葉によるおまけイラスト
ルクト・ナードの倉葉によるおまけイラスト
イラストSS
「寒くないか?」
「あー、大丈夫。まぁクリスマスってこんなもんじゃないかな」
「それもそうか。でもあまり無理はせずに、息が白い」
「ありがと。ま、空の旅ならあんまり被ることもないだろうしゆっくり楽しもう」
「そうだな。ゆっくりしてこう」
足元に広がるイルミネーションはあたたかな色合い。ジングルベルのメロディに合わせて歓声と笑い声が聞こえてくる。
「こうやって空から見てると、サンタクロースが空からそりで来るのも解るような気がするな」
「というのは、どうして?」
「だってさ、下から見るよりも皆の顔が鮮明に見える」
「確かに、そうかもしれないな」
下から手を振ってくれるひともいる。笑いかけてくれるひともいる。
きっとみんながみんな、それぞれの大切な人とこの輝かんばかりの夜を過ごしているのだ。
「なんか、会いたい人の顔が浮かぶな」
「そうだな、なんせこんな夜だから」
それぞれの脳裏に浮かんだ大切な人の笑顔、その柔らかな声。
「……今日は、」
「ああ、時計がもうすぐ11になったら」
「だな」
帰りたくなった、というと語弊がある。
会いたくなったのだ。それぞれの大切な人へ。
駆けつけたくなったのだ。それぞれの大切な人が待つ家へ。
※SS担当:染