イラストSS

　シャイネンナハトの日だからって、良いことばかりあるわけではない。
　ヴァレーリヤと秋奈の２人は大暴れしまくった影響で地下牢へとぶち込まれていた。

　聖なる夜を地下牢で過ごすなんて、まっぴらごめん！
　せっせこせっせこ、脱獄の準備を始めていた。

　だけど脱獄の準備というのは結構音が響き渡る。
　カンカン、カンカンとハンマーで壁を叩けば看守に見つかるもので。

「おい、何をしている」

　威圧的に声をかけてきた看守は秋奈とヴァレーリヤがいる牢屋の前に立ち、脱獄現場を発見してしまう。
　すぐさま応援をと離れようとした瞬間、ヴァレーリヤが看守の手を握って食い止めた。

「ご、ごめんなさい、看守さん。私は止めたのだけど、秋奈が聞かなくって……」
「だが実際にやっていたじゃないか」
「て、手伝わなかったら……手伝わなかったら酷い目に遭わせるって、言われてぇ……」

　うるうると涙目を見せ、秋奈に全責任を負わせようとしているヴァレーリヤ。
　その後ろでは押し付けられたことに気づいてテンパった秋奈が牢屋の中を走り回る。

　……なお、それで罪が軽くなるかと言われたらそうでもなく。
　地下牢を変えて再び収監されたのだった。


　※SS担当：御影イズミ