PandoraPartyProject

イラスト詳細

赤羽・大地のゆりちかおによるおまけイラスト

作者 ゆりちかお
人物 赤羽・大地
ジョシュア・セス・セルウィン
ピリア・エイム
イラスト種別 おまけイラスト(→元発注イラスト
納品日 2023年12月24日

3  

イラストSS

 聖夜祭の夜。お気に入りの靴をはいて、少女は広場を歩いていた。
 お祈りの時間はもうすぐだ。
「今日はね、ローレットの人達が来てくれるから」
 たどたどしく言うのは、手を引いて横を歩く父だ。
 出稼ぎのせいであまり顔を合わせない父も、聖夜夜には帰ってきてくれる。それだけで少女は嬉しかったが、父はどこか気まずそうだった。
 ふと、空いたもう片方の手に視線がおちる。
 去年まではこの手を母が握っていた。
 病気がちであまり外に出れない母も、昨年の聖夜祭は一緒に広場を歩いてくれたから。
 父と母と、あの時までは三人で。
「ああ、お祈りの時間だ」
 父がふとした様子で足を止める。鐘が鳴り、皆手を合わせている。
 そして……。
「わ、あ……」
 ふわりとした白い光が、地面から空へと昇っていく。
 雪のように見えたそれは、けれど違う。
「お母……さん?」

「雪じゃない、これは……」
「あァ。信じる者は救われル、ってノ。今夜ぐらいは信じて良いかもナ」
「とっても、とっても、綺麗なの……」
 広場の真ん中に集まっていたローレットからやってきた三人が声を上げて空を見た。
 手を上げ、ピリア(p3p010939)が空に光をのばす。まるでふわふわと昇っていくそれらを案内するみたいに。
「『月の導きがありますように』」
 ジョシュア・セス・セルウィン(p3p009462)が手を合わせて祈りの言葉を述べれば、赤羽・大地(p3p004151)もまたそれに続いた。
 大地の描いた陣が淡い光となる。昇り逝く光たちが迷わないように。いくべき場所へいけるように。
 そして何よりも、祈る人々の心が届きますようにと。
 優しく微笑む大地の左右で、ピリアとジョシュアもまた笑みを浮かべた。

 広場は感動と祈りの声でいっぱいだった。
 そんな中で、少女は手におちた雫に気付く。父と繋いだ手だ。見上げると父の頬にまたひとつ雫が伝っていた。
 目元を拭い、見下ろす父。
「ご馳走が沢山ある。一緒に食べようか」
 声は涙でかすれていたけれど、ぎこちなさはもうない。
 空いた手にふと温かさを感じて、少女は微笑む。
「……うん!」
 今宵は素敵な聖夜祭。
 きっとあの三人が、奇跡を連れてきてくれたのだろう。
 少女はそう信じて、父と共に歩き出すのだった。
 光の昇った、空の下を。

 ※SS担当GM:黒筆墨汁

PAGETOPPAGEBOTTOM