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水天宮 妙見子のサナセオキレによるおまけイラスト
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「いやぁ、ライバルだよな、俺達」
「どうしたムサシ、もう酔ってるの?」
なんだかいつも以上に距離が近いムサシのほっぺたをおしつつ、ムラデンは苦笑した。
シャイネンナハトパーティは、今までムラデンが行っていたそれよりも、ずっと暖かで、ずっとにぎやかで、ずっと素敵に感じた。ああ、もちろん、おひいさまやストイシャといっしょのパーティもそれはすごかったけどね? と胸中でつぶやくのは、ささやかなプライドであるのだが。
「いや……もう、ライバルだろ、俺達~……なんかこう、さ。合体攻撃とかさぁ……。
あ、俺のブレードにムラデンがブレスをはいてさぁ、必殺炎刃とかさぁ……憧れない……?」
「……わからないでもない……」
「あ、そういうのわかるんだねぇ」
くすくすとアルムが笑う。
「なんだか、ムラデンもほんと、俺達に慣れてくれたよねぇ。いいことだと思うよ」
「慣れたっていうか、キミらが馴れ馴れしすぎるんだけどな」
べ、とムラデンは舌を出した。まぁ、悪い気持ちではない、という言葉は隠して。
「あ、ムラデン、ほっぺたにソースついてますよ」
と、妙見子がムラデンのほっぺたを、拭ってやるのへ、ムラデンは少し顔を赤くしながら、
「あ、ありがと……で、でも子供じゃないんだから自分でやれるって」
「照れてるなぁ、ムラデン……いつ結婚すんだお前……」
ムサシがお酒に酔った様子で言うのへ、
「なんだよ結婚って! お前はいつ結婚すんだよ!」
「ダメよ! 結婚なんて!」
ぎゃー、とメリーノが声を上げた。酒瓶を持っている。わりと酔っている様子である。
「たみちゃんはぁ、わたしのなのよぉ! まだゆるさないわ! ぼうやのばか!」
「いや、なんでメリーノに許可貰わないといけないの?」
「え、その言い方、結婚を視野に?」
アルムが驚いたように言うのへ、妙見子は、ほ、と顔を赤らめた。
「いえ、まだそのぉ……」
「違うよ! どうしてそういう方向に行くんだよ!」
「だめよぉ! たみちゃんはあげないもの!!」
ぎゅ、とメリーノが妙見子を抱きしめるのへ、ムラデンは頭を抱えた。
「こっちの席うるさくない!? どうなってんの!?」
と、一際にぎやかな此方の席。もちろん、ムラデンだって――悪い気はしていないのだけれど。
※SS担当:洗井落雲