イラスト詳細
物部・ねねこのサナセオキレによる5人ピンナップクリスマス2023
作者 | サナセオキレ |
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人物 | 物部・ねねこ ザビーネ=ザビアボロス 新田 寛治 アルヴィ=ド=ラフス ルビー・アールオース |
イラスト種別 | 5人ピンナップクリスマス2023(→おまけイラスト)(サイズアップ) |
納品日 | 2023年12月24日 |
イラストSS
何とも奇妙な感覚である。
このような、暖かな所で、暖かな日を過ごしたことは――少なくとも、ザビーネ=ザビアボロスにはなかったと記憶している。
二人の従者が、それでも用意してくれたことはあったが……それもあくまで、ヘスペリデスでの人類の真似事であったのだから、それはやっぱり、今日とは違うものであったのだろう。暖かな、という意味では、もちろん負けないくらいに、と言っておくところであるが。
この場に集まっているのは――従者たちとともにあるさらなる友人たちのことは、今回は除くとして――どれも自分と、奇妙な縁を紡いだ者たちばかりだ。
勇気あるもの――ルビー・アールオースであり。
賢く導くもの――新田 寛治であり。
迷いながらも進もの――アルヴィ=ド=ラフスであり。
そして、こんな自分に奇妙な興味を抱くもの――物部・ねねこであった。
その誰もが、実際、命のやり取りをした相手である。
にもかかわらず、どうしてこうも受け入れられたのかと言えば、ザビーネにも未だよくわかっていない。
よくわからないことだらけだ。世の中も、人間も。
それ故に、何とも、好ましい。
「なにか、難しいことを考えていますね?」
と、寛治は笑った。
「良いでしょう、こういう時くらいは」
「まったく、そういうところはザビーネのいい所でもあり、悪い所でもあるんだろう」
アルヴィが笑う。
「ま、でも今日は刹那に生きとけ。パーティだからな。ほら、シャイネンナハトのプレゼント、ってな」
「そうそう! なんかこう、人と竜が~、みたいな、そういう細かいのはなしで!
料理もあるし、皆がいる! そういうのを喜べばいいと思うな~!」
ルビーもそう言って笑って。
「というわけです、ザビーネさん! あ、苦手なものとかあります? 熱いのと苦いのだめなんでしたっけ?」
ねねこも楽しげに笑う。
そんな暖かな、本当に暖かな空間。
そんなところに自分がいるのが、とても不思議で――。
いや、不思議ではないのかもしれない。
誰もが、こんな光景を目指そうと、手を伸ばし、戦っていたのだから。
これは必然の光景だったのかもしれない。
「……素敵なものですね」
そうつぶやいたザビーネの言葉は、なにに対しての言葉であったか。
ただ、目に見えるすべてが、とても素晴らしいものだと、ザビーネは思っていた。
※SS担当:洗井落雲