イラストSS

　ふわふわでふかふかの大きなポメラニアンはどすんどすんと音を立てるように宙を走り抜けていく。
「行くわよ～！」
　桃色の髪をふわふわと揺らしながらマナセはそう笑った。橇に乗せていた袋から小さなポメラニアンがひょこりと顔を出す。
　茶太郎とポメ太郎は今日は主人から離れて大冒険の真っ最中なのだ。
　尾を揺らす茶太郎はトナカイの役割を。そして、ポメ太郎とマナセは小さなサンタクロースである。
「プレゼントを届ける先は決まっているわ！」
「わん（はい！）」
「まずは、ベネディクトよ！　おうちに突撃してサンタさんの素晴らしさを見せてやりましょう！
　ねえ、ベネディクトのお家のお部屋はわかる？　わたし、分からないわ！　任せても良い？」
「わん！（大丈夫です！）」
「よぅし、出発進行～！　どんどこいくわよ～！」
「わん！（まかせてください！）」
「わう（それじゃあ、いくぞ～）」
　頼りになる二匹に付き添われて、マナセは夜の空を行く。
　シャイネンナハトの光の海を見下ろしてサンタクロースは大忙しで駆けずり回るのだ！


　*SS担当：夏あかね