イラスト詳細
初めてのワイン
初めてのワイン
作者 | 倉葉 |
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人物 | 鏡禍・A・水月 ルチア・アフラニア・水月 |
イラスト種別 | 2人ピンナップクリスマス2023(サイズアップ) |
登録されているアルバム | |
納品日 | 2023年12月24日 |
5
イラストSS
乾杯、とグラスを重ね合わせたのはよかった。初めて口にしたワインの味は慣れない味はしたが美味しいと思った。ここまでは良かったのだが……。
ちびちびとワインを飲んでからしばらく、気づけばぼうっとした瞳で鏡禍はテーブルの上を眺めていた。ぼやけて見えるワインやおつまみ、おまけに頭がくらくらとして頬が熱い。
これが酔うということなのだろうかと頭の片隅で考える。
「鏡禍? まさかもう酔っちゃったの?」
そんな様子を見てルチアが笑う。彼女の手にあるグラスは空っぽだ。
さすがに元の世界では飲んでいたというだけはある。ワインをグラスに一杯、これぐらいでは酔いもしないのだろう。
「すみません、なんかくらくらして」
鏡禍の視線がゆっくりとルチアの方を向く。しばらくぼんやりと見つめてからおもむろに口を開いた。
「ルチアさんが二人いる?」
「いないわよ?」
「ルチアさんが二人いて僕を見てます。かわいい」
「どうしてそうなるのかしら……」
完全に酔っているらしい。妖怪はお酒に弱いのか、ただただ鏡禍がお酒に弱いのか。
後者だろうかとルチアは考えながら鏡禍の手からグラスを取り上げ、残りを飲み干した。
この分では水を用意しておくのがこの酔った妖怪にはいいだろう思って。
※SS担当者:心音マリ