イラストSS

「シャイネン」
「ナハト」

　小さなナインとシュピちゃんはお揃いのツナギで作業中。
　デコる対象はシュピちゃんが搭乗するロボで、目指すは世界平和だ。
　
　ペイントをたっぷりつけたブラシを持って、一緒にぺしぺし塗っていく。これは、ロボのボディを通して世界を緑化したりしているんだと思う。
　
　跳ねたペイントが頬について、煌めくオーナメントがいつの間にか自分にくっついている。勲章のようなものだ。
　
　ナインの目にはハイライトがないが、その分も光れとパワーをこめてお星さまのオーナメントを飾ってみた。めちゃくちゃキラッキラに輝いた。ロボのおでこでリボン付きで飾られたお星さまは、たぶん出そうと思えばビームが出る。
　
「こちらシュピ。担当パーツ、完了」
「私もハイライトのお星さまにビームを搭載したところです」

　共同作業は完了だ。お互い、いい仕事した。
　二人は視線を交わし合い、無言でビッとサムズアップし合った。
　そして、シュピちゃんはナインに腕を広げた。慣れた感じでナインが腕におさまって、抱っこされる形になる。

　きら、きら。派手に飾られたロボは、背中に無限の星空を背負って格好良いようなキュートなような佇まい。仁王立ちで二人に向かい合っている。
　
「格好良い」
「芸術ですね」

　芸術は爆発するが、ロボは安全。　
　無表情コンビはやり遂げた感たっぷりに頬を染め（でも無表情）その後、一緒にロボに搭乗して世界に平和を齎したかもしれない。

　※SS担当者：透明空気