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イラスト詳細

ブラックサンタよ永遠に~継承、そして伝説へ~

作者 ゆころう
人物 冬越 弾正
ベネラー
アーマデル・アル・アマル
イラスト種別 3人ピンナップクリスマス2023(サイズアップ)
納品日 2023年12月24日

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イラストSS

「さあ、はりきっていこう! 技の1号、冬越弾正!」
「力の2号でいいのか? 俺のほうがどちらかと言うとテクニカルな気がするが。とにかく参上、アーマデル・アル・アマル」
「えっ? えっ? どういうノリなんですか?」
「ポーズを取るんだベネラー殿、時間がない!」
「照明もバッチリだぞ、今しかない」
「あ、はい、3号、ベネラーです」
「「そこは力と技のブラックサンタだ!」」
「わかりません、なにもかも!」
 どかーん。
 ベネラーが叫ぶと同時に背後で爆発が起きた。彼を拉致……連れてきたのは、弾正とアーマデル。考えてみれば長い付き合いで。考えてみれば、けっこう世話になっている。ベネラーにしてみれば、ふたりは恩人だ。
 グラオ・クローネの時期になるたびに、ブラックサンタに扮してベネラーのところへ寄っていた弾正、そしてそれを見守っていたアーマデル。両者の間には共通の想いがあった。なにがあっても、ベネラーの味方でいよう。そんな想いが。
一昨年は夜の遊園地へ連れて行った。去年は魔銃『赤奏プライド』を贈った。そして今年は、サン活そのものを体験してもらい、プレゼントとしようという計画だった。
「よし、それでは、さっそくプレゼントを配りに行くか!」
「豊穣の良い子リストは完璧だ。効率的なルートを行くぞ」
「あの、これ、不法侵入……」
「「サン活だ」」
 そういうものかなあとべネラーは首を傾げる。そういうものなのだと、弾正はベネラーの肩を叩く。
「俺達が誰かを幸せにしてあげられたら、その幸せの上澄みをすくって、また誰かが他の人へ幸せを分けてあげるに違いない」
「そっか、そうですね」
「そうだぞ、ベネラー殿。幸福の輪は、弾正の言う通りの方法で広がっていくんだ。笑顔とともに、ぬくもりと共に」
 いつもよりもすこしだけ優しい声音で、アーマデルが言う。はい、とうなずくベネラーに、プレゼントボックスを押し付ける。
「それではミッションスタートだ」
「行くぞ、弾正、ベネラー殿」
「はいっ!」
 元気よく返事をするべネラーは、練達での捨鉢な様子から、何か吹っ切ったようだった。いい変化だと、アーマデルは受け入れる。世界は崩壊しつつある。熟練のイレギュラーズである自分たちも、いつ命を落とすともわからない。ならばこそ、約束をする。
「ベネラー殿……また来年も俺達とサン活をしよう!」
 もちろんですと笑う少年の笑顔を曇らせるわけにはいかない。弾正とアーマデルは、けして倒れるものかと、お互いの目を見てうなずきあった。

 ※SS担当者:赤白みどり

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