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ルカ・ガンビーノのあさぎあきらによるおまけイラスト
ルカ・ガンビーノのあさぎあきらによるおまけイラスト
イラストSS
まろやかコーンスープ。山盛りミートボール。黄身が眩しいカルボナーラ。まんまる焼きたてパン。卓上のご馳走の数々がかがやく夜の主役の座を華麗に奪い去る。何を祝福するだとか、そういう御託はふたりの席には必要ない。最後に湯気たつメインディッシュと共にルカが現れれば、しにゃこの腹の虫が盛大にパーティーの開始を告げた。
食べ応え抜群のこんがりステーキを前に、カトラリー捌きは澱みなく。めいっぱいに膨らむ頬は作り手冥利に尽きる光景だけれど、ルカは何かを言う代わりにナプキンを掴んだ。そそっかしい友人か、目を離せない妹か。どちらにせよ、ソースで汚れた口元の世話も慣れたもの。
『別に自分で拭けますってー』
目だけで反論するしにゃこの手は次の肉を運ぶのに忙しく、口は味わうのに忙しい。もし声に出したとして伝わるものになっていたかどうか。ただ——やれやれ、と自分の食事に戻っていくルカを見るに、それで十分なのである。ふたりの間にあるのは本当の家族よりも気安く、時には言葉すら必要としない空気だった。
それは当たり前に見えて、とても大切なもの。たとえば、天辺に座る金の星のように——
※SS担当:氷雀