イラスト詳細
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペンのよしやんによるおまけイラスト
イラストSS
ヨゾラとフィールホープの顔が幸せに満ちたものである事から色々と察する事は可能だった。
二人が互いを想い合っていたのは知っていた。なので、今更というか、ようやくか、という気持ちの方が強い。
幻想領にあるヨゾラの館で、彼がフィールホープと共に親友達を出迎えた後。
二人に案内されて、今夜の会場となる部屋へ向かう。
通された部屋には大きなリースがいくつも壁に飾られ、色々と装飾されているツリーなんてヨゾラやライゼンデが立ったらその半分以上の身長はありそうな大きさだ。
そして、当然の事ながら、猫も割と居たりする。ここの部屋に居るのは普通の猫達で、自分達の友人であるフローエではない。
シャイネン・ナハトに沿った衣装をしたフローエと、この夜に似合いそうな帽子を被ったファゴット。
そして自分――ライゼンデは少しめかし込んだ格好をして此処に居る。
中央のソファーにはヨゾラとフィールホープが座り、自分達はその周囲に座った。シュワシュワする飲み物をグラスに注いで、傾ける。
「それで? いつから?」
「何が?」
「君達が付き合う事になった時だよ」
「今から言おうとしてたのに何でわかったんだい?」
「顔を見ればね」
隠そうともしないんだから、と付け加えてやれば照れたような笑顔が返って来て。
「君達を出迎えに待つ少し前かな」
「つまり、今日したの?」
「そうだよ」
横から入ったファゴットの質問にも、ヨゾラは嫌な顔一つせずに答えてくれた。
そういえば、フィールホープがやけに大人しいなと、そんな事を思って彼女を見てみる。はたして彼女の様子はと言えば、ずいぶんと大人しくなっている様子で、大人のようにちびちびとコップの中に入っているものを飲んでいる。
(おや、大人しい)
そんな事を思ったが、今はそれよりも。
「改めて。おめでとう、二人とも」
「おめでとう!」
ライゼンデの祝福の言葉を追いかけるように、フローエとファゴットが続く。
三人からの祝福を受けて、ヨゾラがくすぐったいような顔をする。隣に座るフィールホープも、言葉少なに「ありがとう」と呟いた。
今夜は二人が結ばれた事を祝いながらの賑やかな夜になりそうだ。
そんな予感を感じて、ライゼンデの口元に笑みが浮かぶ。
――――輝かんばかりのこの夜に! 我が友への祝福を!
※SS担当:古里兎 握