イラストSS

　サンタのコスチュームなんて建前。ほんとうは早く溢れるほどの熱を浴びたい。
　豊満な四肢は赤いリボンでラッピングして。獰猛な本性を可愛いアクセサリーで隠してしまえば、あっという間にかわいい女の子の出来上がり。
「ねえ、早くこっちへおいでよ」
「どうして躊躇ってるの？　もしかして……何か気に入らない？」
　これかな、あれかな、なんて。少女たちは楽し気に声をあげて、からかいの表情を浮かべる。
　丸々としたヒップを見せつけてみたり、するりと下着に手をかけて誘惑して見せたり。
「もっと？」
「じゃあ何が良いのかちゃんと教えてくれないと」
　艶々とした尾がその谷間に食い込んでいく。熱い吐息が今にもこちらへと触れてしまいそうなほど二人の距離は近かった。
　手を伸ばせばあっという間。望んでいた世界は、欲望の渦が煮詰められた甘美で淫靡な世界はそこにある。
　蜜が甘いのは虫を誘うため。虫を捕えて食べてしまうため。甘い香りに誘われてしまったのならもう正常な判断なんてできるはずもない。
　蕩けるような夜は終わらない。少なくとも貴方にとっては永遠のものであるのだから。
　痛みも戸惑いもすべて、朝が来る頃には彼女たちの胃の中でよろこびの声をあげて震えているだけなのだから。

※SS担当：染