イラスト詳細
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペンの橘知怜によるおまけイラスト
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペンの橘知怜によるおまけイラスト
イラストSS
「フィールホープさん、ちょっといいかな」
「? どうかなさいましたか……?」
シャイネンナハト。聖なる日。
今日は4人で出かけていた筈だったのに、いつの間にか2人になってしまっていた。
はぐれてしまったのだろうか、だけれども連絡もつかない。これではどうしようもない。
だけれどもヨゾラにとっては好機に他ならなかった。遅かれ早かれ想いを告げると、決めていたのだ。
傅いて、手を取って。
「あのね、フィールさん」
「はい」
「僕、フィールホープさんのことが好きなんだ」
案外、言葉はすんなりと出た。こんなにも心臓がうるさい気がするのに。
頭だって回っていないような気がするし、言葉もたどたどしいような気がする。
それなのに、こんなにもすんなりと出るだなんて。瞳に映った彼女の表情は驚きで満ちていた。
「あ、この好きっていうのは、フィールさんが猫だから、とかそういうのじゃなくて」
「は、はい」
「猫の姿も人の姿も含めてフィールさんの全てが好き……なんだけど」
「……!」
「よければ、僕とお付き合いしてくれませんか」
最後は震えていた。きゅっと重なった手が結ばれたのを、じんわりと熱を帯びた指先が触れるのを感じて、下を向かないと決めたのだ。
「喜んで……!」
その答えは、喜ばしいものだった。雪の日に、二人は結ばれたのだ。
※SS担当:染